しゃぶしゃぶ食べ放題の“王者”しゃぶ葉が絶好調。猛追する“業界2位チェーン”の差別化戦略とは
ワンランク上のしゃぶしゃぶ温野菜
コロワイド傘下のレインズが展開する温野菜も客層が異なるが人気のしゃぶしゃぶ食べ放題店だ。焼肉食べ放題「牛角」としゃぶしゃぶ食べ放題「温野菜」を展開するレインズ・インターナショナル。親会社のコロワイドは、多業態戦略をM&Aを通じて積極的に展開する外食大手である。 牛角は、825店舗を展開する世界最大の焼肉チェーン店だ。その営業基盤と食肉関係の調達力など豊富な経営資源を活用できるから、しゃぶしゃぶ食べ放題店を多店舗展開できるのであり、ここがレインズの強みである。温野菜は現在217店舗(2024年9月時点)で店舗数は業界2位である。 焼肉食べ放題は1位、しゃぶしゃぶ食べ放題は2位と、共に業界の中心となるチェーン店であり、ブランド力の高さは相当である。
しゃぶ葉とは違いがはっきりと
落ち着いた雰囲気でほぼフルサービスでの提供を受けながら、質的・量的満足を求めたいなら、ワンランク上のしゃぶしゃぶ温野菜の食べ放題プランもいいだろう。サービス機能を絞り、セルフサービスのウェートを高めながら、その分を安価な価格にしているしゃぶ葉とは違いがはっきりしている。 価格で選ぶなら、コスパ最強と評されるしゃぶ葉で大満足だが、通常の接待やグループ会食では温野菜を選定される人は多いだろう。 通常提供されている各プランの上下価格帯をしゃぶ葉と温野菜を比較すると、温野菜のほうが単価が1500~2500円高い。年齢層も高くなっており、忘年会など宴会の客層も落ち着いた年齢の人が多い。通常の基本メニューはしゃぶ葉が1979~4069円で、温野菜が3498円~6578円だ。温野菜は逸品料理も60品目が食べ放題になっているから中身が充実した分、価格差があるのは仕方ないか。 食べ放題店は単に肉の品質や鮮度だけでなく、食べ放題プランにあるメインのお肉以外の逸品料理、サラダ、麺飯類などの優劣で店のレベルが分かる。温野菜は60品目の逸品料理の食べ放題にも自信を持っている。それもそのはず、コロワイドの祖業は居酒屋で、グループ内に居酒屋業態を複数有し、ノウハウが十分にあるのから強いはずだ。