「国内にいい投資商品があるのにもったいない」 元メガバンク支店長が「不動産小口化投資」を勧める理由
2025年になりました。お金のプランについて考える良いタイミング。今年も物価は上昇し、手取り収入も増えず、苦しい生活は続きそう。先行き不透明な時代を生き抜くために、元メガバンク支店長でお金の専門家・菅井敏之さんは、「お金に対するリテラシーを高めよ」と言います。大好評の短期集中連載「教えて! 菅井さん」第2弾の最終回のテーマは、「日本への投資のススメ」。 一生お宝になるかも!?【大型の高配当株30銘柄】はこちら! ――昨今、懸念されていることがあるとか。 昨年1月からスタートした新NISAの普及により、多くの個人投資家が、外貨建ての金融資産に投資し、その結果、個人資産が日本から海外に流れています。こうした金融商品には、為替リスクが潜んでいることを忘れないでほしい。 銀行・証券会社・保険会社には手数料を稼ぐことを目当てに外貨建て保険商品や仕組み債を勧められ苦情につながったケースが数多くあります。購入を検討する際はリスクとコストをよく理解しましょう。勉強が大事です。お任せは高くつきます。お子さんに「勉強しなさい」と諭したその言葉を、ご自身に向けるべきです。 ■一等地の不動産のオーナーになる ――「リスク許容度」の範囲内で商品を選び、資産運用をしたほうがいいということですね。 その前提で何をやるべきか。為替リスクを避け、インフレ対策をしたい人にお勧めしたいのが「不動産小口化投資(任意組合型)」です。特定の不動産を1口100万円程度に小口化して販売し、賃料収入などに応じて出資者に分配します。元本保証ではないのでリスクはありますが、インフレによる資産の目減りを防ぐ目的で、安定的な賃料収益が得られるのは魅力的だと思います。都内や首都圏、地方主要都市の一等地の不動産のオーナーとなって、分配金を得る。非常に有効な投資手段だと考えています。
――国内への投資ですね。 国内でお金が還流する形になるので、非常に望ましいと思います。中国人をはじめ多くの外国人が日本の不動産を購入する一方で、日本人は海外に投資しているなんて、釈然としません。国内にいい投資商品があるのにそれを見過ごすなんて、もったいない話です。 ――日本株投資のアドバイスもお願いします。 「応援したい」企業に投資するのはいいと思います。みなさんには「守備範囲」があると思います。不動産会社に勤めていたら不動産業界にはきっと詳しいでしょう。主婦であればスーパーで売っている商品に詳しいかもしれない。精通している業界や商品があると思います。「これはイケてる。これからも楽しみ」というものを見つけ、投資すればいいんです。自分が好きなものであれば、最新情報や企業動向も追えますよね。 要するに勝負する土俵を間違えないことです。得意分野で「推し」を見つけることです。株式評論家に言われるまま、自分の大事な財産を投資するのは実にもったいない。 ■60歳なら40% ――50代、60代で金融リテラシーのない人がいきなり株式投資をするのは、やはり危険ということでしょうか。 株式投資は若いうちからするに越したことはないです。20代、30代でやるのと、50代、60代になってから始めるのでは違います。時間という資産がたくさんある20代、30代は失敗しても、収入で穴埋めできる。リカバリーできます。一方、50歳を過ぎて失敗したとき、勤労所得が見込めない状況であれば、かなりのダメージです。運用資金は100から自分の年齢を引いた数の割合にとどめるべきです。60歳なら40%です。60歳を過ぎても、大切な資産をリスクにさらすようなことをすべきではありません。