OCCが陸上用光ケーブル能力増強。上三川事業所の製造ライン更新、再生可能エネ需要など捕捉
通信ケーブル大手メーカーのOCC(本社・横浜市西区、社長・川上浩氏)は陸上用光ファイバケーブルの製造能力を増強する。陸上用ケーブルの製造拠点である上三川事業所(栃木県上三川町)で、2024年度内に製造ラインを更新。耐環境光ファイバケーブル「M―PAC」の製造能力を1~2割程度拡充する。再生可能エネルギー関連需要の増加などに対応することが狙い。新製造ライン導入の投資金額は数億円となっている。 「M―PAC」は光ファイバを水密溶接ステンレスパイプで保護した通信ケーブル。耐水性や耐側圧特性などに優れるほか、細径・軽量かつフレキシブルで敷設工事が容易となっている。さらに長尺製品が供給可能なことなども特長。 再生可能エネルギーの普及拡大に向けた機運が高まる中、同社では風力発電関連などの需要に期待。さらに可搬式タイプもラインアップしており、災害などによる緊急時に通信回線を確保する備えの需要にも応える。加えて新規用途の開拓などにも取り組みたい考えだ。 増産に向けて上三川事業所では現在「M―PAC」製造の専用スペースを準備中。さらに今年度下期中には新製造ラインが稼働する予定となっている。 加えて製造効率化に向け同事業所全体としてレイアウト変更を推進。2026年には「M―PAC」と鉄道用信号線の製造を、それぞれ一つの建屋に集約し、半製品の搬送などの手間を減らすなどしてアウトプット可能な量をさらに増やす。 同社では鉄道用信号線についても注力している。コロナ禍で減速していた鉄道関連需要が改善。その対応を進める考えで、レイアウト変更での製造集約による高効率化で増える生産能力を生かしていきたい考えだ。