デ・ロッシ監督解任騒動が収束しないローマ ラニエリ氏が経営陣に「お金がすべてではない」と苦言を呈す
ローマファンはインテル戦の応援を15分間ボイコット
名将クラウディオ・ラニエリ氏が、ダニエレ・デ・ロッシ氏を解任したローマの経営陣の対応を疑問視しているようだ。 [画像]ボイコットで空席となったスタンド ラニエリ氏と言えば、ローマを含め、数々のクラブを率いてきた監督で、昨シーズン限りで監督業を引退した。そして今回、『Radio1』に出演し、古巣であるローマの解任騒動について、オーナーのフリードキン兄弟にこう苦言を呈した。 「デ・ロッシに何をしたのか理解できなかった。3年契約を結んだということは、新しいチームを作ろうとしているということを世間に告げることになる。その時点では、監督に時間を与えなければならない。4試合で解雇することはできない」 そして先日行われた第8節のインテル戦で、ローマのファンが最初の15分間だけ応援せず、スタンドを空席にした問題に触れ、こう述べた。 「ローマにはリーダー的人物がいない。フリードキン兄弟は多額の資金を投じているので責めることはできないが、ファンたちの行動を見れば、お金がすべてではないことを証明している。彼らはクラブ内の基準点を失っている。ローマはユニークな場所だ。クラブはファンに助けられ、サポートされなければならないが、今は冷淡になっているようだ」 ラニエリ氏が言うように、解任の基準や理由が一向に見えてこないだけに、経営陣が傍若無人に権力を振りかざして首を切ったとも取れてしまう。オーナーが何をしても良いわけではないと言う意味での「お金がすべてではない」という発言なのだろう。 そしてデ・ロッシ氏の解任後、イヴァン・ユリッチ新監督となってからのローマの成績は、6試合で2勝2敗2分といまいち成果が見られない。そうなるとデ・ロッシ氏を解任した意図は、成績だけではなくフロントとの意見の食い違いとの報道が説得力を増してくる。いずれにせよ、経営陣には1日でも早くこの混乱を収めるよう動いてもらいたいところだが、まずは基準や理由を明確にする必要があるかも知れない。
構成/ザ・ワールド編集部