映画『ナミビアの砂漠』山中瑶子監督にロングインタビュー
主演・河合優実さんから 2つの質問!
ともに20代。感覚を共有する二人に「お互いに聞いてみたかったことはありますか?」と投げかけた。『GINZA』10月号掲載の河合さんのインタビュー記事では、山中監督からの質問を掲載。 Q. 海外に住むとしたらどこの国に住みたいですか? 行ったことがあって住んでみたいと思ったのは、カナダのモントリオールです。冬がめちゃくちゃ寒いらしくて、体感温度がマイナス40℃にもなるぐらい。だから、みんな夏が待ち遠しいんですよね。私が行ったのは7月で、まだそんなに暑くはなかったんですけど、街を歩いていると、みんな自宅のベランダに椅子を引っ張り出して、水着姿で本を読んだりしていて。すごく地に足のついた夏の楽しみ方だと思ったし、それだけ冬が厳しかったんだろうなと感じさせる、開放的なムードが印象的でした。現地の人に「冬の間は何してるんですか?」と聞いたら、夏とは逆に「とにかく家で勉強したりバイトしたりするんだ」って。メリハリがあっていいなと思いました。過酷な冬と待ち望んだ夏、その感覚のコントラストが気になります。 Q. この先ずっと監督をやりたいですか?もし違う選択肢があるならどんなふうに暮らしたいですか?職業でも、そうでなくても!現実的じゃなくても! 「監督を続けたい」とはっきり思ってはないです。ずっとそうでしたし、今よりは以前のほうがもっとやりたくなかったかも。いろんなことに溢れている世の中だから、 逆に一つのことをとことん追求したいなと思うと、やっぱり言語ですよね。母が中国の人で、日本で暮らし、私が物心ついた時には日本語話者になっていて。簡単に習得したかのように見えていたけど、今思えばそんなわけないよなって。それを体感してみたいのはあります。スペイン語とか、なんでもいいんですけど、現地に長い年月住んで、生活の一部としての言語を習得してみたい。昔も何かの取材で、あくまで冗談ですけど、「外国人と結婚して、異国に住むしかないという状況になってもいい」みたいなことを言ったんです。別に結婚願望とかないから、適当にしゃべっただけですけど。でもそういう、映画じゃないことに豊かさを求めてはいます、どこかでちょっと。 ●『ナミビアの砂漠』 世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きる、21歳のカナ。温厚だけど退屈なホンダから強気で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。 監督・脚本_山中瑶子 出演_河合優実、金子大地、寛一郎、新谷ゆづみ、中島歩、唐田えりか、渋谷采郁、澁谷麻美、倉田萌衣、伊島空、堀部圭亮、渡辺真起子 配給_ハピネットファントム・スタジオ 9月6日TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー ©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会 Photo_Wataru Kitao Text_Milli Kawaguchi
GINZA