アヌチャイ・ドーンスアに攻め込む西田凌佑＝住吉スポーツセンター（撮影・水島啓輔）

プロボクシングのIBF世界バンタム級タイトルマッチが15日、大阪・HOS住吉スポーツセンターで行われた。王者の西田凌佑（28）＝六島＝が、挑戦者で同級14位のアヌチャイ・ドンスア（28）＝タイ＝に7回1分37秒KO勝ち。2019年10月のプロデビュー戦以来、プロで2度目のKO勝利で初防衛に成功した。 2回までは得意のアウトボクシングを展開したが、3回にプレスをかけて左ストレートをヒット。アヌチャイは少しバランスを崩した。5回には右フックを引っかけてダウンを奪う。6回からは左右のボディー攻撃で削り、7回に左ボディーアッパーでアヌチャイをひっくり返し、アヌチャイは何とか立ち上がったが10カウントを聞いた。西田は右手でガッツポーズして喜んだ。 勝利者インタビューでは「倒せはして、むちゃくちゃ喜んだんですけど、内容はプロキャリアの中で一番悪かった。このまんまだとほかのチャンピオンに倒されるなと本当に思いました」と反省。「この階級で一番強い選手になりたいと思って今はがんばっているんですけど、今日の内容ではあまり大きなことは言えない。いいとこを見せたいというのが出てしまって、本来の自分のボクシングとは違うボクシングをしてしまった。今後も勝っていくにはもっと修正していかないといけない」と自己採点は厳しかった。 今年5月にエディオンアリーナ大阪で、王者だったエマヌエル・ロドリゲス（プエルトリコ）に3－0の12回判定勝ちし、世界初挑戦で王座を奪取。無傷の9連勝で世界の頂点に立った。バンタム級は主要4団体の世界王座を日本選手4人が独占している。西田は「バンタム級で一番強い選手になりたいんで、強いと言われている中谷選手とやりたいですね」と階級最強との呼び声が高いWBC王者の中谷潤人（26）＝M・T＝との統一戦を熱望した。 興行は動画配信サービスのU－NEXTで独占生配信された。プロ戦績は西田が10戦10勝（2KO）、アヌチャイが17戦16勝（7KO）1敗、中谷が29戦29勝（22KO）。（尾﨑陽介）