熊本県立学校で『いじめ重大事態』 県教委が第三者委員会を設置へ
熊本県の県立学校で、いじめによる重大事態が発生したとして、熊本県教育委員会が第三者委員会の設置を決めました。 熊本県教委は、11月5日に開いた定例会で、「県立学校でいじめによる重大事態が発生した」として、第三者委員会の設置を決めました。 第三者委員会は、法律・医療・心理・福祉・教育の専門家計6人で構成するもので、いじめの全容解明などにあたります。 熊本県教委は「保護者から公表しないよう強い要望があった」として、いじめが起こった学校の種類や被害を訴える子どもの性別や年齢、事案の概要などを明らかにしていません。 熊本県教委が2024年度に入って重大事態と認定した事案は2件目で、2023年度までに第三者委員会が審議を始め、調査を係属している事案を含めると今回の件を含めて5件になります。 今回の第三者委員会は、熊本県教委に付属する常設の審議会が担う予定で、結論が出れば県教委に答申を行います。 熊本県教委は「第三者委員会の開催日時は報道機関に知らせるが、内容を伝えることはできない」としています。 2013年に施行した「いじめ防止対策推進法」では、いじめが原因で子どもの心や体に重大な被害が出たり、長期にわたって欠席したりするケースについて「重大事態」と位置付けています。 重大事態になった場合は、学校や教育委員会が早急に事実関係の調査を行い、被害者側に適切な情報提供を行うことを義務付けていて、県教委は今回の事案について、「審議中も含めて被害者側には適宜、情報提供をする」と話しています。 <相談窓口> 文部科学省では、いじめや家族の悩みなど、子どもが「SOS」を発したい場合の相談窓口をホームページで紹介しています。 【SNSで相談】 ▽BONDプロジェクト 10代、20代の女性のためのLINE相談による支援を行います ▽こころのほっとチャット 年齢、性別に関わらず誰でも相談できます ▽生きづらびっと 自殺対策支援センターライフリンクによる支援 ▽あなたのいばしょチャット 相談24時間365日、年齢や性別を問わず、誰でも無料・匿名で利用できるチャット相談窓口 ▽LINEじんけん相談 法務省の相談窓口。国の機関の職員(法務局の職員)や、いじめなどの人権問題に詳しい人権擁護委員が相談に応じます。周囲で困っていそうな友達についての相談も可能です