比巡視船、中国3回衝突で損傷 サビナ礁、撤去要求拒否
【マニラ、北京共同】フィリピン沿岸警備隊のタリエラ報道官は31日に記者会見し、南シナ海のサビナ礁で同日、大型巡視船が中国海警局の船に故意に3回衝突され、穴が開くなど複数の損傷を受けたと発表した。衝突時の動画や損傷部分の写真も公開した。 大型巡視船は日本から円借款で調達し、4月中旬からサビナ礁に長期停泊していた。中国側は撤去を要求しているが、タリエラ氏は「中国の行動激化にもかかわらず任務を遂行する。撤去する理由はない」と拒否した。 フィリピン側によると、大型巡視船は31日、周辺を巡回するためいかりを揚げたところ、集結してきた中国船団に包囲され、海警局船に繰り返し衝突された。負傷者は出ておらず、再びいかりを下ろしサビナ礁内に停泊したという。 中国海警局は31日、フィリピン側が海警局船に「故意に衝突した」と主張する報道官談話を発表し、責任は完全にフィリピン側にあると非難した。領土主権を守るために「必要な措置を取る」と警告し、直ちに撤収するよう求めた。