熊本都市圏の住民、67%が「外出時は車利用」 前回調査より増 公共交通機関は5%どまり
有識者らでつくる「熊本都市圏総合交通計画協議会」の会合が5月30日、県庁であり、熊本都市圏住民の3人に2人が外出時の主な交通手段として自動車を選んでいる実態が報告された。約3万人が協力した2023年調査から推計。バスなどの公共交通を選んだのは20人に1人にとどまった。 調査は県、熊本市が連携して23年10月から11月にかけて実施。無作為に抽出した熊本市と近隣の計12市町村の約10万人に調査票を送り、3割の回答があった。個人の1日の行動を聞き、移動手段を把握した。 自動車を選んだのは67・0%。前回の12年調査と比べて2・6ポイント増えた。男女ともに車を選ぶ高齢者の増加が目立った。これに対し、バスは2・8%で1・0ポイントのマイナス。市電、鉄道を含む公共交通全体でも5・3%にとどまり、0・6ポイント減となった。 県都市計画課は「運転手不足でバスの便が減った。公共交通が少ない郊外に住宅を構える人が増え、マイカーに頼らざるを得ない面もある」とみている。
二輪車(自転車とバイク)を選んだのは12・1%で2・0ポイントのマイナス。徒歩は15・7%で、前回と変わらなかった。 一方、外出する人の割合は79・0%と減少傾向にある。新型コロナの感染拡大で在宅勤務も増え、9・5ポイント減となった。 こうした調査結果を踏まえ、協議会は26年3月までに、基本計画の「都市交通マスタープラン」を策定する。(樋口琢郎)