【博多ストーカー殺人】男が法廷で語ったこと 被告人質問の内容を詳しく②「愛していました」「別れるなんて納得できない」
JR博多駅近くで元交際相手の女性をストーカー行為の末、包丁で何度も刺し殺害した罪に問われた男の裁判員裁判は検察が懲役30年を求刑して24日、結審しました。判決は28日に言い渡されます。男は法廷で何を語ったのか。これまでの被告人質問でのやりとりを詳しくお伝えする2回目です。
殺人とストーカー規制法違反などの罪に問われているのは、住居不定、無職の寺内進被告(32)です。 起訴状などによりますと、寺内被告は2023年1月16日午後6時すぎ、博多駅近くで、勤務先から帰宅中の福岡県那珂川市の当時38歳の会社員の女性を待ち伏せし、胸や背中、頭や首を刃渡りおよそ24センチの包丁で10数か所刺して殺害した罪に問われています。 18日午前10時、福岡地方裁判所で寺内被告の裁判員裁判の2日目の審理が始まりました。寺内被告は前日と同じ、紺色のジャージーに灰色のデニム姿、白いマスクをつけて法廷に現れました。 初めに裁判長が「寺内さん、体調は変わりありませんか」「きのうはくたびれたと思います。語尾が聞こえにくくなったので気をつけてください」と話しかけると寺内被告は「はい」と答えました。 この日は、前日の続きとなる弁護側の被告人質問から始まり、寺内被告は2023年1月16日、事件当日の行動について話し始めました。
弁護側「事件当日は仕事がありましたか。」 寺内被告「はい、ミーティング、午後8時から。」 弁護側「どこで。」 寺内被告「焼き肉屋さん、中洲です。」 弁護側「その前に起きて用意して、携帯代を払いに行きましたか。」 寺内被告「その前にパチンコ行きました、春吉の。」 事件当日、寺内被告はパチンコに行った後、滞納していたスマートフォンの料金を支払うため、博多駅に向かったと説明しました。 弁護側「携帯ショップはどこですか。」 寺内被告「博多駅のバスターミナルのビル。」 弁護側「何月分の支払い?」 寺内被告「2か月分前の11月のですね。」 弁護側「なぜ、この日に払いに行ったんですか。」 寺内被告「携帯が止まるから。毎月15日か16日に払っていた。」 弁護側「携帯ショップは自宅からどのくらいかかりますか。」 寺内被告「10分くらい。」 弁護側「大通りではなく、1本裏の道を通っていったのはなぜですか。」 寺内被告「会わないように、被害者と。」 弁護側「防犯カメラの映像によれば、被害者の会社の前を通っていますが、歩いた通りは会社側?」 寺内被告「(通りを挟んで)反対側です。」 弁護側「被害者の会社を意識していましたか。」 寺内被告「してないです。」 弁護側「携帯ショップには行きましたか。」 寺内被告「行ってないです。」 弁護側「なぜ。」 寺内被告「Wi-Fiが飛んでるので、(料金は)来月払おうと。」 弁護側「検察はあなたのスマートフォンのヘルスケアアプリで、午後6時3分から午後6時6分は歩数がカウントされていないと言っていましたが、歩いていない記憶はありますか。」 寺内被告「はあ。」 弁護側「何をしていましたか。」 寺内被告「タバコを吸ってた。」 弁護側「何か考えていましたか。」 寺内被告「特に何も。携帯料金を払おうか払わんか考えてました。」
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