三菱電機が福岡市のパワー半導体拠点を強化…パワーデバイス製作所に新工場棟、生産性2割向上へ
三菱電機は20日、福岡市のパワーデバイス製作所に建設する新工場棟を12月1日に着工すると発表した。電力制御に使うパワー半導体の組み立てや検査を担う拠点として強化し、電気自動車(EV)の普及や脱炭素化による市場拡大に対応する狙いだ。2026年10月の稼働開始を目指す。 【写真】三菱電機が建設予定地で行ったパワー半導体新工場の地鎮祭
同製作所で20日、地鎮祭を行った。新棟は5階建て(延べ床面積約2万5000平方メートル)で、製作所内に点在する組み立てラインなどを集約したり、装置を自動化したりして生産性を2割向上させる。投資額は約100億円。組み立て前の半導体チップは、熊本県の同社工場などで生産する。
三菱電機はパワー半導体で高い世界シェア(市場占有率)を持つ。中国経済の減速や、米トランプ次期大統領がEV優遇策の見直しを掲げていることから先行きの不透明感もあるが、同社の竹見政義・上席執行役員は「長期的にパワー半導体の需要が拡大する傾向は疑いようがない。福岡と熊本で開発力と生産体制を強化していく」と述べた。