名伯楽・佐藤義則さん かつての教え子を語る ダルは「能力」、マー君は「努力」
プロ野球の元投手、コーチで野球解説者の佐藤義則さん(70)が5日に放送されたBSジャパネクストの野球トークバラエティー「ダグアウト!!!」(木曜後10・00)にゲスト出演。投手コーチとして育成に携わったダルビッシュ有投手(38=パドレス)と田中将大投手(36=楽天を自由契約)について語った。 阪急、オリックスで通算165勝を挙げ、40歳でノーヒットノーランを達成するなど名投手だった佐藤さん。現役引退後にはオリックス、阪神、日本ハム、楽天、ソフトバンクなどでコーチを務め、名伯楽としても知られる。 この日はかつての後輩チームメートで同姓のタレント、パンチ佐藤(60)とともに番組初登場。そのなかで教え子にあたるダルビッシュと田中について聞かれた。 すると、佐藤さんはまずダルビッシュについて「俺もドラフトで入ったけど、投げるレベルが数段上」と、技術や手の器用さなどで当初からモノが違ったと証言。 そして、田中については「僕は2人を比べたことないです」としつつも「もともとの能力が全然違う、ダルビッシュと田中は。田中は努力して今200勝近く頑張ってくれて。ダルビッシュはもともとピッチャーで、ずっと投げる能力の高いピッチャー。田中はキャッチャーからピッチャーになって。努力で今の成績を収めていると思う」とした。 「田中もダルビッシュを尊敬している」という佐藤さん。性格的には「田中は表に出さない。ダルビッシュもそうだけど。そういう性格してる」と笑顔で回想した。 ただ、どちらも佐藤コーチにはあまり自分から聞いてくるタイプではなかったそう。それでも田中は「今日見ててどうですか?」と聞いてきたことがあったといい、「注意したことを次に試してくる」「聞いてないようで聞いてくれている」と目を細めた。 弱音を聞いたことがあるかどうかを問われると「田中はちょっとスピードが出ない時期があって。勝ったり負けたりの成績の時にちょっと呼んで話をして。もう一回調整方法を変えたほうがいいって話をして。で、仙台に帰ったら来て“どうしたらいいですか”っていうから“思ったほどスピードガンが出ていない。投げないとスピードなんて出ないんだ、1週間に1回じゃ。ブルペンに2回来い”って言って。1日だけ真っすぐを練習して。それから24連勝したんです」と秘話も明かした。 「スピード出すには、100%のものを体に教えとかなきゃいけない。それがないと、能力があっても出ないんですよ、腕の振りをやってやんないと。1日は真っすぐだけ。で、投げる前の日は自分の好きなようにやる。それを1カ月続けてくれって」と佐藤さん。「それからスピードが150出るようになった」と懐かしそうに話していた。