「永遠に」「ひとり」で大ブレイクのゴスペラーズ、ヒットが出なかったデビューから6年間の苦悩と奮闘 「前例がないから自分たちで作り出した」
記録と記憶で読み解く 未来へつなぐ平成・昭和ポップス ゴスペラーズ(全3回の第1回)
この連載では、昭和から平成にかけて、たくさんの名曲を生み出してきたアーティストにインタビューを敢行。令和の今、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービス(サブスク)で注目されている人気曲をランキング化し、各曲にまつわるエピソードを深掘りすることで、より幅広いリスナーにアーティストの魅力を伝えていく。 【画像】やはり「永遠に」「ひとり」は強いが…意外な楽曲が上位に!「ゴスペラーズSpotify再生回数ランキング」 ほか 今回は、2024年12月にメジャー・デビュー30周年を迎える男性5人組のボーカル・グループ、ゴスペラーズから、甘いハイトーンが冴えわたる黒沢 薫と、クリアな歌声やボイスパーカッションが魅力の酒井雄二のお二人がご登場。全3回にわたるインタビューをお届けする。第1回では、’00年のロングヒット曲「永遠(とわ)に」や、アカペラで60万枚超の大ヒットとなった’01年の「ひとり」にまつわるエピソードを中心に語ってもらった。
ちなみに、ゴスペラーズのSpotifyでの月間リスナーは常時15万人前後。こちらを彼らに伝えると、 黒沢「僕らはCD主体で売ってきたので、まだまだストリーミングのリスナーは少ないですね。でも、僕自身はストリーミングで聴くことが大半。特に、Spotifyは、プレイリストやおすすめ曲を自動生成するアルゴリズムが優れているんです。それと、例えば音楽番組のゲストに呼んでいただいて、CDを持参する必要がある時、以前なら、棚の奥から引っ張り出すのが大変だったのですが、今はストリーミングでかけてもらえるという利便性もありますね。ただ、ブックレットを楽しみに僕らのCDを買ってくださる方も多いので、それはありがたいなと思っています」 酒井「僕は、機械と音楽が両方大好きなので(笑)、黒沢と同じく早期からストリーミングを使っています。どうしても手薄になりがちな年代はCDを手元に置いておいて、あとはストリーミングで仕事の資料探しもしています。ただ、ストリーミングや電子書籍を出さないアーティストや作家さんもいらっしゃるので、その場合は発売日にCDを買いに行きますよ。僕らは、CDショップに行くのが当たり前だった時代から育って、今がちょうど狭間の世代ですよね。だからゴスペラーズとしては、ストリーミングを出しつつ、CDで作品全体を通して聴いていただくことも想定して、曲間の秒数や曲順など、最後までメンバー間でああだこうだとアイデアを練っています」 それでは、ここからSpotify人気曲ランキングを見ていこう。