特別天然記念物以外のオオサンショウウオ、アフリカヒキガエルを特定外来生物に指定 環境省
今回の特定外来生物の指定についてパブリックコメントを実施したところ、「チュウゴクオオサンショウウオも生き物全体でみると減少しているため、保護して中国に返してはどうか」「殺処分はしない方が良い」といった意見が寄せられた。そこで、環境省が文化的背景も含めて各種専門家に問い合わせたところ、中国に返せば同国内で自然に増えるといった単純な話ではないことが分かったという。外交上の調整も必要となってくるため、環境省は中国側に返さない方針とした。「今回の指定は日本の固有種を守るためなので、理解してほしい」としている。なお、専門家でも固有種、外来個体、交雑個体を一目で見分けることは困難という。
近年、SNS等で「バズる」ためにオオサンショウウオ類を食べたり捕獲したりする動画があげられている。環境省は「見た目で分からない以上、万が一食べたものが特別天然記念物だった場合、非常に重い罪に問われる。オオサンショウウオ類を捕ることはやめてほしい」と強く注意喚起をしている。天然記念物を捕獲し、処分した場合、文化財保護法により懲役刑や禁錮刑、罰金刑が規定されている。
アフリカヒキガエルについては研究が進んでおらず、日本の生態系への影響は未知数だという。しかし、皮膚毒を持つことや、多産であること、食性の幅が広いことから、もし侵入が認められれば影響が大きいと判断した。また、小笠原・沖縄諸島に侵入した外来生物の同じ属のカエルが現地の昆虫をエサにし、希少な生態系を乱していることが確認できたため、指定した。