今夏EUROはキャプテンのみ審判と対話可に…UEFAが公式声明「美しい試合が醜いものになる」
欧州サッカー連盟(UEFA)のロベルト・ロゼッティ審判委員長が14日、公式サイトを通じて声明を発表し、今夏ドイツで開催されるEURO2024(欧州選手権)ではゲームキャプテンのみが主審とコミュニケーションを取ることができるという取り組みを導入することを明かした。キャプテンの役割を無視したり、抗議や侮辱の意思を示した他の選手にはイエローカードが提示されるという。 【写真】本田圭佑のイメチェンに反響「犬系男子でイイ感じ」「かっこよすぎる」「何しても似合う」 ロゼッティ審判委員長は声明を通じ、「現代の試合で審判を務めるのは非常に難しい」と強調。「ピッチ内の審判員は、困難で時には物議を醸すような難しい状況下で、大きな重圧のもと、ファンや評論家からさまざまな異なる角度で精査・監視される中、1試合につき200~250回の判定(22秒間に1回)を下している」という現状を訴えた。 その上で「我々は強い個性を持った審判員がピッチ上で判定を下すことを望んでいるが、それと同時に彼らにはよりオープンになり、ある判定に至った理由をもっと説明してもらいたいと考えている」と方針を説明。一方で「最多22人の選手が審判に押し寄せる状況下で判定を説明するのは不可能である。それがコミュニケーションの崩壊につながる可能性があり、美しい試合が瞬く間にとても醜いものになり、フットボールのイメージに悪影響を与えることは誰もが認めるところだ」とピッチ上の全員とコミュニケーションを取ることの難しさに懸念を示した。 その結果、各チームのキャプテンのみが審判員と会話することができるという方針を策定するに至った模様だ。声明では「物議を醸す判定はいくつか起きるだろうが、現状を改善するため、EURO2024に出場するすべてのチームに対し、審判が自らの判定をより説明することを望んでいる」と委員会の立場を示した上で、「我々はキャプテンに対し、チームメートが主審に詰め寄ったり、取り囲んだりしないようにしつつ、判定が適時、敬意をもって伝えられるべく直接会話ができるように求める」と伝えている。 なお、ゴールキーパーがキャプテンを務めているチームにおいては、そのたびにゴールマウスを離れて主審とコミュニケーションを取ると試合運営に支障が出るため、敵陣でこの役割を務める別のフィールドプレーヤーを指名する必要があるという。 声明では「このアプローチを採用し、審判に権限を与えることにより、我々の大会で非常に高い判定を行うことにつながり、大会期間にわたって選手とファンがよりよく試合を楽しむことができるようになるだろう。審判とチームキャプテンとの建設的な対話を促せるようになれば、誰もが恩恵を受けることができ、美しい試合、我々皆が愛する試合の未来のため、ポジティブなレガシーを残すことができるだろう」と期待している。