<春よ光れ>’21センバツ・神戸国際大付 4参謀、厳しくも温かく 正副部長・2コーチ、生活面からサポート /兵庫
19日のセンバツ開幕戦を控える神戸国際大付は青木尚龍監督(56)と4人の参謀が選手たちを指導している。野球だけでなく、体づくりや生活面でも選手を支える田中隆太部長(31)、仁平直副部長(37)と上里田哲英(48)、中上雄介(33)の2コーチを紹介する。 ◇田中部長 田中部長は、神戸国際大付を2008年に卒業し、亜細亜大学に進学。捕手で副主将と寮長を務めた。軟式の社会人野球チームを経て14年にコーチとなり、19年から部長を務める。 練習では選手より大きな声を出し、「自分が見本となって指導する」。選手寮に週2~3回泊まり、生活の指導もする。大学時代の恩師の「限界の先に成長あり、妥協の先には後悔ばかり」との言葉を大切にし、選手にも伝える。自身の現役時代はかなわなかった夢の舞台でプレーする選手に「自分の努力を信じて何年先にも印象に残る試合をしてほしい」と話す。 ◇仁平副部長 仁平副部長は、大阪のPL学園中高の軟式野球部で01年夏に全国制覇した。母校で教師となり、青木監督の誘いを受け10年から神戸国際大付で勤務し、15年から副部長を務める。監督のサポートや選手の進路相談が主な仕事だ。練習で打撃指導をすることもある。 高校時代の厳しい寮生活から「生活の乱れはプレーにつながる」と話し、ルールや時間を守らない選手には厳しく指導する。一方で「コツコツと努力してきた子が結果を出した時はめいっぱい褒める」ことを心がけている。神戸国際大付の指導方針「個人の素質を生かす野球」を実践しようと、選手たちを厳しくも温かく見守る。 ◇上里田コーチ 上里田コーチは、加古川南高校から名城大学へ。卒業後は5年間、社会人野球チームに所属した。1999年から11年間、青木監督と二人三脚で野球部の強化に尽力。今は選手の体のケアや移動時のバスの運転、事務作業など裏方に徹する。 「野球を科学的に分析し、個性を生かす」が信条。筋肉量の測定や遺伝子検査を導入して選手の調子を数値化している。社会人野球時代のケガで、トレーナーを志した経緯から「ケガをしても見捨てない指導者でありたい」と話す。東播磨の福村順一監督とは高校時代、同じトレーニング施設で練習した仲で、甲子園出場をともに喜び、県勢として活躍を誓う。 ◇中上コーチ 中上コーチは、03年に神戸国際大付に入学し、05年春のセンバツ準決勝で捕手として出場した。大東文化大を卒業後、10年からコーチを務める。中学時代は、父の雅文さん(06年に46歳で死去)が監督の軟式野球部に入った。野球漬けで毎日、怒られてばかりだったが、甲子園でプレーできたことに「努力が報われた」。「選手たちにも同じ思いを味わってほしい」と、指導者を志した。 5年前からは、控え選手の指導や対戦校の戦力分析に力を注ぐ。近年は「自チームの動きよりも対戦相手の試合運びをよく見ている」という。「スタンドに響き渡る歓声と緊張感は今でも忘れない。選手には思い切り野球を楽しんでほしい」とエールを送る。【中田敦子】 〔神戸版〕