「課長に昇進しても生活はカツカツです」子どもの学費も圧迫で苦悩する中間管理職
課長になれば学費分は昇給できるのか
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、役職別の賃金は次の通りです。 ●男性の役職別賃金 ・部長:60万4100円 ・課長:50万700円 ・係長:38万2300円 ・非役職者:31万1900円 ●女性の役職別賃金 ・部長:52万1000円 ・課長:43万800円 ・係長:33万5900円 ・非役職者:26万300円 ●男女計の役職別賃金 ・部長:59万6000円 ・課長:49万800円 ・係長:37万800円 ・非役職者:29万1100円 部長クラスになると、役職のない人と比べて給与は2倍になります。 非役職者より25万円から30万円程度も給与が高いので、学費を除く生活費を非役職者と同じくらいで抑えれば、子どもが私立に行っても学費は十分捻出できると思われます。 課長クラスも、非役職者と比較すると17万円から20万円多いので、学費は問題なさそうに見えます。
課長に昇進しても生活はカツカツということも
役職別の賃金を見ると、課長に昇進すれば学費が増えても生活にゆとりがありそうですが、実際には家計が厳しいケースもあります。 主な理由は次の通りです。 ・給与が上がると税金や社会保険料も高くなる ・昇進とともに気づかぬうちに生活水準が高くなっている ・教育熱心で学費が平均を大きく上回っている ・子どもが多いと学費も比例して増える ・給与が高いと児童手当などの公的給付が所得制限でもらえない 昇進しても学費で家計が圧迫される、という事態を避けるために、子どもが小さくお金がかからないうちに学資準備を始めましょう。 ライフサイクルに応じて住宅の購入や老後資金準備も必要になるため、長期的な生活設計が必要です。
まとめにかえて
子どもの成長とともに学費は高くなります。 私立に行く場合、月に10万円から15万円も必要になるケースも考えられます。 昇進によって給与がアップすると、学資に回せるお金も増えますが、必ずしも生活に余裕ができるわけではありません。 長期的な生活設計を立てて、早目に学資準備を始めましょう。 家計状況によっては、教育費を抑えることも必要です。
参考資料
・文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します」 ・日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」 ・厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」
西岡 秀泰