55歳、最近体力が落ちたと実感があり、今後も働き続ける自信がありません。いま退職するメリット・デメリットはありますか?
メリット2:比較的体力があるうちに行動できる
2つ目は、後期高齢者になる前であれば、体力的に衰えたといっても、まだやりたいことができますし、行きたいところにもいける、つまり行動制限があまりないことです。 前述したとおり、「やることがないのでとりあえず働けるうちは働く」という選択をした人の中には、体力的にギリギリの限界まで就労を続けたために、本当に仕事から引退してしまうときには、旅行はできない、厳格な食事制限や毎日の通院が必須、という状態になってしまった方もいます。 「お金の心配はないが、使いたくても使えない」「もっと足腰が動くうちに仕事を辞めればよかったかもしれない」という話を聞くにつけ、どうにもできないむなしさを覚えるかもしれません。
デメリット:家計運営上の不安
これに対して、デメリットは1にも2にも家計運営上の心配です。長生きリスクといわれて久しいですが、年金だけでは賄えない昨今、これまで貯めてきた資産を取り崩して補っていかなければなりません。 さらに、物価上昇の時代には資産の目減りに対して保全する対応をとっているかどうかについても確認しなければなりません。
時間は戻せないことを踏まえてメリットとデメリットを比較する
大事なことは、メリットとデメリットを比較して、どちらがAさんのセカンドライフにとって大事かどうかを見極めることです。 ただ、時間は有限でありいつかは終わりのときを迎えるということ、体力的にも精神的にも「今の瞬間がAさんにとってのピーク」であり、今後は緩やかであれ急であれ、体力も気力も衰えていくということは認識しておかなければならないでしょう。 出典 厚生労働省 1 主な年齢の平均余命 総務省 家計調査報告 - 2024年(令和6年)7月分 - 無職世帯の消費支出 執筆者:柴沼直美 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部