3月5日から暖かい日が増える『啓蟄』。細かく自律神経の調整が行われるこの時期に悩まされるアレルギー症状を改善するには?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
◆養生 啓蟄の養生のポイントは、肝と肺の働きを助ける「滋陰(じいん)」と「補血(ほけつ)」。食べ物から、身体に潤い、水分、血液を、しっかりとチャージしていきましょう。 花粉症の人は、炎症を鎮めるためにも、ぜひ、“苦味”を多く摂るようにしてください。 「春の皿には苦味を盛れ」という食養生のことわざがありますが、レタスやセロリ、ミョウガなど、少し苦味のある野菜がとくにおすすめです。 甘いものや冷たいもの、あるいは乳製品などの摂りすぎは、「湿」と呼ばれる分泌物を溜めやすくなり、鼻水や涙が出やすくなりますので、くれぐれもひかえましょう。 また、この時期、気軽にできる養生がティータイム。 ぜひ、少し苦味のある緑茶、菊花茶、ミントティーなどを飲みましょう。緑茶にミントを混ぜるなど、お茶をブレンドして楽しむのもいいですね。 そして、花粉症などの炎症を緩和するためには、少しでも休むこと。 ゆっくりすることは中医学的にも春の大切な養生ポイントですから、休みの日はしっかり休むようにしてください。 なかなか休めないという人は、スマホやテレビから離れ、静かに目を瞑って深呼吸を。 また、睡眠もとても大事なので、悩みなど一切の“考え”を寝室に持ち込まないよう、努めましょう。
◆中医学的 啓蟄の旬のもの ・旬の食材1 うずらの卵 もろもろ補給したいこの時期にピッタリなのが、うずらの卵。うずらの卵は、五臓すべてを補い、気と血をチャージする、スーパー食材です。 アンチエイジングにも効果的で、その栄養価は鶏卵より優れているとされるほど! 脇役のイメージが強いかもしれませんが、効能を期待する場合は、1食5~6個を目安に、こまめに摂ってみてください。 うずらの卵を主役にした1品なら、「小松菜とうずらの卵の炒めもの」がイチオシ。うずらの卵の水煮と小松菜を一緒に炒め、醤油で味をととのえたら、鰹節をぱらりと乗せて出来上がりです。 ・旬の食材2 ほうれん草 ほうれん草は、血を増やす「補血」食材。内臓の働きを助け、血のめぐりをスムーズにしてくれます。 また、赤い根の部分には、潤いを補い、便通を良くする力があります。根の部分に十字に切れ目を入れて、10分ほど水に浸けておくと、きれいに土が取れます。 必要なものを補い、不要なものを出してくれるという優秀な食材ですので、ぜひ、根まで捨てずに食べましょう。 ・旬の食材3 黒ごま 黒ごまも「補血」作用があり、身体を元気にして、潤してくれます。 そこで、ほうれん草と黒ごまを、肝に良いとされる酢で和えた「ほうれん草のごま酢和え」はいかが? 黒ごまがなければ、白ごまでもかまいません。白ごまは、潤いを補う「滋陰」作用があります。1日大さじ1杯を目安に摂るといいでしょう。 ※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
櫻井大典,土居香桜里