梅酒やシロップ後の青梅、大量の梅干し…飛田和緒の「青梅を美味しく使い切る」技
海外出張の続く夫と、遠方で大学生活を謳歌中の娘。現在はほぼ一人暮らしになっても梅好きの飛田さんは、忙しい仕事の合間に梅干しや梅シロップを大瓶で作っています。 【写真】シロップや梅酒を余らせない、飛田さんの「梅もの」使いきりレシピ。 食材を無駄なく使って、楽しく、おいしく食べきる台所の知恵を習う連載「始末の料理」、今月は「梅シロップと梅酒の梅」。どちらも「飲む」だけにしておくのはもったいないほどおいしい使い方や、取り出した梅の活用法がありました。 前編「梅酒や梅干しだけじゃない! 大量青梅を使い尽くす、飛田和緒の簡単『梅仕事』」では、この時期になると出回る梅をチェックしつつ、スケジュール帳とにらめっこしながら、飛田さんが毎年やっている梅仕込みについて、お伝えしています。 ただ「作るのが楽しい」「みんながやっているから、うちでも作ってみた」と仕込んではみたものの、案外と飲みきれずに残してしまう家も少なくないようです。何を隠そう、筆者もそのひとり。 以前、飛田さんに梅酒漬けの梅を捨てたと話すと「もったいない!」、梅シロップが余ってしまうと言うと、「いただきたいわ」。大瓶でどれだけ仕込んでも、翌年までもたないと言います。 甘いお酒はあんまり得意ではないという飛田さんは、シロップや梅酒、漬けた梅をどう使っているのでしょう。後編でくわしくご紹介します。
取り出した梅は「カリカリッと食べる」
梅シロップ、梅酒とも、だいたい1年ほど経つと、梅のエキスは完全に出てしまいます。なので、飲み頃はちょうどその頃。そして役目を終えた梅の実は、取り出しても、そのままでもよいようです。 飛田さんも「保存場所に困らなければ梅の実はそのまま入れっぱなしに。コンパクトにしたいときは実を取り出して消毒した小さな瓶に入れ替えます」。 取り出した梅は、梅シロップを水や炭酸で割って飲むときに、必ず入れるそうです。 「梅の実をそのまま、カリカリッと食べるのが好き! 炭酸で割ったドリンクには梅を1個入れて、梅をかじりながら飲んでいます。または梅とシロップを少し鍋に入れて加熱し、やわらかくして食べたり、砂糖を加えて煮てジャムにしたりもできます」。 「アルコールを含む梅酒の梅も一緒。そのまま食べたり、ヨーグルトに合わせたり、チーズと合わせておつまみにしたり、刻んでパンケーキの生地に混ぜ込んで焼いたりしています」。 梅酒漬けした実は洋酒に漬けたドライフルーツのようにお菓子に、梅シロップや梅酒も甘酸っぱさを生かし、料理の甘み付けに使えます。 飛田さんは梅シロップを、野菜の和え物や漬物、ドレッシングなどにも「はちみつや砂糖の代わりに、ちょいと甘めにしたいときに梅シロップを入れています」。 「最近のお気に入りは、きゅうりの梅シロップ漬け。 きゅうりを適当に切って、1%の塩をまぶして水気が出たら拭き取って、梅シロップと、あればしょうがのせん切りや青じそ、梅干しの種を加えた、甘酸っぱいきゅうり漬けにハマっています。 すぐにできて、梅のうまみ、さわやかさが加わってサイコーです」。