【週末の見どころ!】山口茜の4度目Vなるか、日本勢が3種目で栄冠狙う | バドミントン ワールドツアー ジャパンオープン 2024 プレビュー
奈良岡、まさかの白旗宣言で煙幕 パリ五輪の雪辱なるか
男子シングルスでは、奈良岡功大(NTT東日本)が初の4強入りを果たしている。奈良岡は、今夏のパリ五輪に出場してベスト16に進出。技術に絶対的な自信を誇る23歳の若手で、次回の28年ロス五輪も出場が有力視されている次世代の星だ。3回戦まで、いずれもファイナルゲームまでもつれる試合を制している。五輪直後で調整不足の中、疲労も蓄積しているが、試合終盤にペースを上げるなど、長丁場の戦いに活路を見出している。ミスが少ないのが特長で、左前方の位置から繰り出すバックハンドショットは、様々なフェイントを駆使するなど多彩。観衆をアッと驚かせるトリッキーなプレーも見せる。
準決勝の相手は、パリ五輪の決勝トーナメント1回戦で敗れた周天成(チョウ・ティエンチェン=台湾)。雪辱に挑む試合となる。過去3回の対戦は、すべて敗戦。パリ五輪で敗れた直後とあって、経験を生かした上での対策を報道陣から聞かれたが「無理でしょー。強いですもん。勝ち方が分からない。とりあえず頑張るしかない」と笑い、まさかの白旗宣言で煙に巻いた。相手は、大柄で守備力の高い選手。ラリーの中で攻略の手口を探る。初勝利を挙げられれば、28年ロス五輪に向けた「シン奈良岡」のイメージが見えてくる。もう一方の準決勝では、世界ランク1位の石宇奇(中国)と19歳の新鋭アレックス・ラニエ(フランス)が激突。こちらも、ロス五輪世代が台頭している。
ジャパンオープンは、今回が第41回大会。かつては「海外のトップ選手を見る」大会だったが、日本勢の成長より「日本が世界に挑む大会」へ様変わりしてきた。直近5大会では、いずれかの種目で日本選手が優勝を果たしている。世界トップレベルの戦いの中で、今大会も日本勢は決勝に進み、タイトルを獲得することができるのか、注目される。
文:平野貴也
平野 貴也