もうすぐ定年退職を迎えます。「退職金1000万円」って少ないのでしょうか? 他の人の退職金の使い道も気になります。
長年勤めてきた社員が退職する場合、多くの企業が退職金を支給します。退職金の金額は勤続年数などによりさまざまですが、まとまった金額であることから「どのように使えばいいか」と悩む方もいるでしょう。また、受け取った金額が平均と比較して多いのか少ないのか気になる方もいるかもしれません。 今回は退職金の平均額や使い道について紹介します。退職金は老後の数十年を見越して計画的に使うことがおすすめです。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
退職金の平均は?
まずは、退職金の平均額をみていきましょう。厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、勤続年数35年以上かつ45歳以上の定年退職者における学歴ごとの平均的な退職一時金の給付額は表1の通りです。 表1
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成 ■退職金1000万円はやや少ない傾向 表1の平均額を踏まえると、1000万円の退職金はやや少ないといえます。例えば中途入社の場合、退職金が1000万円以下というケースもあるでしょう。 しかし、平均よりやや少ないとはいえ、1000万円は非常に大きな金額のため、これからの老後に向けて大切に使っていく必要があります。
退職金の使い道
次に、一般的な退職金の使い道について解説します。退職金の使い方としては、住宅ローンの返済や年金繰り下げに向けた生活費などが挙げられます。 ■住宅ローンの返済 住宅ローンの支払いが続いている場合、退職金を使って完済する方もみられます。例えば、35年ローンを35歳から組み始めた場合、70歳までローンを支払い続けなければなりません。 しかし、70歳になると、収入は年金だけになったり、健康上の問題を抱えたりする可能性が考えられます。そのため、退職金を活用してローンを一括返済する方もいるのです。ローンを完済すると、それまでかかっていた毎月の返済がなくなるため、生活費に余裕が生まれるでしょう。 ■年金の繰下げ受給に向けた生活費とする 年金は65歳から支給されますが、年金の繰下げ受給を行うために退職金を活用する方もいます。年金の繰下げ受給とは、年金を受け取る年齢を遅らせた分、増額した年金を受け取れる仕組みです。そのため、65歳から75歳までは年金を受け取らず、パートなどの給料と退職金を使って生活し、75歳から年金を増やした状態で受け取るといった方法も有効です。 日本年金機構によると、繰り下げで増額した年金額は一生変わらないため、検討したい選択肢です。