皇族方の進路、ご関心応じ多様化 国際親善見据えた留学も「重要性高まる」
秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまが来春、筑波大へ進学される見通しとなった。生き物に関心のある悠仁さまが選ばれたのは、同大の生命環境学群生物学類。伯父の天皇陛下や父親の秋篠宮さまは皇室と縁の深い学習院大で学ばれたが、近年は皇族方はそれぞれの関心に応じ、海外も含めてより幅広い選択肢から進路を選ばれる傾向にある。 【写真】秋篠宮邸の庭で、トンボが飛来する池の周辺の植物の様子などを観察される悠仁さま 学習院は大正15年の「皇族就学令」で皇族の就学先とされ、同令廃止後も皇族は大学まで学習院に通うことが通例となっていた。陛下は文学部、秋篠宮さまは法学部にご進学。その後、お二方とも英国に留学された。 平成20年、高円宮妃久子さまの長女、承子さまが英留学を経て早稲田大に進学されて以降は、学習院大以外への進学が続いた。承子さまの妹の守谷絢子さんは城西国際大、秋篠宮ご夫妻の長女、小室眞子さんは国際基督教大(ICU)に通い、海外留学も経験。ご夫妻の次女の佳子さまもICUを卒業された。 一方、古典文学に関心を持たれていた天皇、皇后両陛下の長女、敬宮(としのみや)愛子さまは学習院大へ。この春卒業し、日本赤十字社に就職された。 皇室の近現代史に詳しい河西秀哉・名古屋大大学院准教授は「皇族方も多様な選択肢を持たれる時代」とした上で、悠仁さまの筑波大ご進学について、「生物学は昭和天皇や上皇さまも取り組まれてきたテーマ。次世代の皇位継承者である悠仁さまが学ばれることで、改めて基礎研究などに光を当てることにもなる」と話す。一方、「当面は学業を優先され、公務は限定的になるのではないか」とみる。 秋篠宮ご夫妻は11月、外国訪問前の記者会見で、悠仁さまに留学を勧めていることを明らかにされた。河西氏は、「国際関係が複雑化する中で、皇室の国際親善の重要性も高まっている。国際感覚を身に付け、自立を促すためにも、悠仁さまも陛下や秋篠宮さまと同様に、海外に留学される可能性は高いのではないか」と話している。(緒方優子)