日本スポーツ界だけ例外では済まない「人権」への意識。高校選手権で遭遇した相変わらず“残念な光景”
男女問題に限らず人権の認識度合いで世界基準が遠い日本
コロナ禍の影響で無観客試合もあった高校選手権。健康が最優先される時代となり例年と違う運営も求められるようになった。写真:徳原隆元
多くの日本のスポーツファンは「男の絆」が大好きだ。規模と注目度のギャップが著しい学生イベントを挙げれば、甲子園、箱根駅伝、全国高校サッカー選手権など、男の団体競技ばかりが並ぶ。個人的には1度も使ったことがないが、スポーツドキュメントのナレーションでは「男は……」のフレーズがくどいほど押し寄せてくる。伝える側にも観る側にも、スポーツとはそういうものだという固定概念が染みついているのだろう。 それだけに箱根駅伝を制した駒澤大の大八木弘明監督の「それでこそ男だ!」「男になれ!」のゲキに選手たちが応える古典的信頼関係に、ファンは酔いしれた。そしてそこに浮上したのがジェンダー差別の指摘だったから、酔いを覚まされたファンは「くだらねえ。水を差すな」と逆上した。 世界経済フォーラムが発表している男女平等の度合いを数値化した最新のジェンダー・ギャップ指数で、
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