仲野太賀、“演劇の父”の作品で念願の主演 『虎に翼』優三さん役は代えがたい経験に
◆『虎に翼』優三さん役との出会いは代えがたい経験
今年、朝ドラ『虎に翼』で演じた、ヒロインをどんな時も優しく温かく包み込む夫・優三役が大きな話題を集めた。 「たくさんの方に面白いね、って言ってもらえるのがすごくうれしかったです。代えがたい経験でしたね。僕自身の中に優三さんの、寅ちゃんの顔を見ると自動的に発動する感情みたいなものがしっかり出来上がっていて、それが撮影後もずっと残っていたんですよね。そういう経験は珍しいというか、めったになくて。すごい時間を過ごさせてもらったなと思っています」。 普段はすぐに役が抜けるというが、今回の“優三さん”は違った。 「一度クランクアップした後に、“イマジナリー優三さん”として終盤にまた出演したんですけど、その間、半年間くらい空いていて他の作品の撮影もしていたのですが、優三さんの衣装を着てメイクをして(伊藤)沙莉ちゃんの顔を見たら、ヤバい!泣きそう!みたいな。こんな感情まだ残ってたんだ!と、とても不思議でした。沙莉ちゃんはクランクアップの日に、『私は3日くらいで(役が)抜けます』みたいなことを冗談で言っていて。信じられない! こっちは半年経っても残ってるんだぞ!って(笑)」。 『虎に翼』に加え、チャラい美容皮膚科医を演じた『新宿野戦病院』、そして山田孝之とダブル主演を務める映画『十一人の賊軍』と、実に幅広い作品とキャラクターに挑戦し続けている。来年には、大河ドラマ『豊臣兄弟!』の撮影も始まる。「今回の舞台でも、今出せるものを全部出します! 全ベットします! ぜひ劇場に観に来てください!」、そう力強く語る、充実期真っただ中の仲野太賀の生の芝居を体感できる、貴重な機会を逃すわけにはいかなそうだ。(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美) M&Oplaysプロデュース『峠の我が家』は、東京・本多劇場にて10月25日~11月17日上演。 ほか、新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術会館 劇場にて11月21日、宮城・多賀城市民会館 大ホール(多賀城市文化センター内)にて11月24日、富山・富山県民会館 ホールにて11月27日、愛知・東海市芸術劇場 大ホールにて11月30日・12月1日、広島・JMSアステールプラザ 大ホールにて12月6日、岡山・岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場にて12月8日、大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて12月13日~15日上演。