“GT-R”のレジェンドが『トミカ』にまさかの再臨! | トミカ × リアルカー オールカタログ / No.48 日産 スカイライン GT-R(BNR32)
発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ? スカイラインは日産自動車が発売している中型自動車で、2024年現在、2014年にデビューした13代目にあたるV37型が最新モデルです。1998年から2002年まで作られた10代目となるR34型までは、スカイラインは日産の自動車レース活動には欠かせない車両であり、このスカイラインの中でも、自動車レースでの使用を主な目的として開発された超高性能版の車種には代々、“GT-R”のグレード名が与えられてきました(“GT-R”が存在しない代もあります)。乱暴に言うならば、“GT-R”のグレード名は「その代で最強のスカイライン」のことを指しています。 しかし、「もともとスカイラインはおしゃれな中型スポーツセダンを目指して作られたクルマであり、自動車レース活動を目的に作られたスポーツカーではない。また、日々刻々と高度化・高性能化していく自動車レースに対応していくためには、スポーツセダンやクーペをもとに改造してレーシングカーを作るのには無理があるのではないか。ならばスカイラインとは別に、最初から自動車レース活動を考えたスポーツカーを作った方が良いのではないか」という考え方のもと、グレード名の“GT-R”をそのまま車名にしたスーパースポーツカー『GT-R』が2007年に誕生、以後、自動車レース活動などは主にこちらが担当することになりました。 さて、前述のように、実はスカイラインの“GT-R”は、1977年にデビューした5代目から1990年まで作られた7代目までの間には設定されていませんでした。超高性能仕様である“GT-R”が復活したのは1989年にデビューした8代目のR32型の時になります。この“GT-R”はBNR32型の型式名が与えられ、1994年まで作られました。『トミカ』の『No.48 日産 スカイライン GT-R(BNR32)』は、このBNR32型スカイラインGT-Rを再現したものです。当時の日産の技術力を結集して開発されたこのクルマは、世界中の自動車愛好者や自動車レース・ファンから高い評価を受け、伝説的な名車となっています。 BNR32型スカイラインGT-Rの心臓部には、RB26DETTエンジンが搭載されています。このエンジンは“GT-R”専用機とも言われ、2.6Lの直列6気筒でツインターボチャージャーを採用しており、最大出力は280PS(206kW)に達します。傑出したパフォーマンスを誇っており、スムーズで力強い加速を実現していました。また、このエンジンは耐久性の高さと改造のしやすさでも知られており、生産が終了した現在もなお、多くのチューニング愛好者から支持されています。 さらにBNR32型スカイラインGT-Rは、“ATTESA(アテーサ)E-TS”という先進的な電子制御四輪駆動システムを搭載していました。これは通常走行時には後輪駆動として機能し、必要に応じて前輪にも駆動力を分配するシステムです。これにより優れたトラクションとコーナリング性能が実現され、様々な路面状況でも安定した走行を可能としました。 サスペンションは前後ともに独立懸架式のマルチリンク式サスペンションが装備され、これにより高い操縦安定性と快適な乗り心地が両立しています。また、車体剛性を高めるために、ボディには複数の補強が施されていました。空力性能も重視されており、フロントスポイラーやリヤウイングなどのエアロパーツが装備されています。これらの空力パーツは高速走行時の空気抵抗を低減し、ダウンフォースを増加させることで、安定した走行性能を提供しました。特にリヤウイングは、GT-Rの象徴的なデザイン要素の一つで、性能向上に大きく寄与しています。 ブレーキには大容量のベンチレーテッドディスクブレーキが採用されました。これにより、強力な制動力と優れた放熱性が確保され、高速走行からの急ブレーキ時にも安定した制動性能を発揮しました。また、ブレーキパッドには高摩擦材が使用され、制動時の信頼性が高められていました。 自動車レースの世界でも、BNR32型スカイラインGT-Rは数々の偉業を成し遂げています。全日本ツーリングカー選手権(JTCC)では、1990年代初頭には圧倒的な強さを誇り、連続してチャンピオンを獲得しました。また、ニュルブルクリンク24時間レースやオーストラリアのバサースト1000など、数々の国際的な自動車レースでも活躍しています。これにより、世界中の自動車レース・ファンにスカイラインGT-Rの名が知られるようになり、日産の技術力もまた世界に認められるようになりました。 BNR32型スカイラインGT-Rは、その後のR33型やR34型の“GT-R”への進化の礎を築きました。これらのモデルもまた、高性能スポーツカーとしての伝統を受け継ぎ、さらなる技術革新を遂げています。特にスカイラインGT-Rとして最後となったR34型の“GT-R”であるBNR34型は、BNR32型の成功を基盤として多くの改良が加えられ、さらに高いパフォーマンスと信頼性を実現しました。 BNR32型スカイラインGT-Rは、今日でも多くの自動車愛好者から愛され続けています。その伝統的なデザインと高性能なエンジンは、多くのチューニングカーのベース車両として今も高い人気を誇っています。また、きれいなオリジナルの状態を保った車両はクラシックカーとしての価値が高まっており、コレクターズアイテムとしても注目されています。 BNR32型スカイラインGT-Rは、その時代を超えた革新性とパフォーマンスにより、今なお自動車業界に多大な影響を与え続けています。現在でも高性能車両開発の目標とされ、多くの自動車メーカーがその技術と理念を追求しています。そんな伝説は語り継がれ、新たな高性能スポーツカーの基盤として、多くの人々に愛され続けています。 実は『トミカ』では以前にもBNR32型スカイラインGT-Rがラインアップされていましたが、今回の『No.48 日産 スカイライン GT-R(BNR32)』は新型で、リヤフェンダーの形状などが一段と実車の雰囲気に近いものとなっています。以前にも増してこの伝説の名車の特徴を上手くとらえて再現しており、さらに以前のモデル同様にドアが開閉するという楽しいギミックも備えています。ぜひこの“走る伝説”をコレクションに加えてみてはいかがでしょうか? ■日産 スカイライン GT-R (BNR32型/1989年モデル) 主要諸元 全長×全幅×全高(mm):4545×1755×1340 ホイールベース(mm):2615 トレッド(前後・mm):1480 車両重量(kg):1430 エンジン形式:RB26DETT型 直列6気筒DOHCインタークーラー・ツインターボ 排気量(cc):2568 最高出力:206kW(280ps)/6800rpm 最大トルク:353Nm(36.0kgm)/4400rpm トランスミッション:5速MT サスペンション(前後):マルチリンク ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク タイヤ: 225/50R16 92V ■毎月第3土曜日はトミカの日! 毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2024年7月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.48 いすゞ エルフ 〈ミッキー&フレンズ〉 トラック』に代わって『No.48 日産 スカイライン GT-R(BNR32)』が登場します。また、それまでの『No.100 スズキ ジムニー JAF ロードサービスカー』に代わって『No.100 レクサス IS 350 F SPORT』が登場します。『No.100 レクサス IS 350 F SPORT』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。
MotorFan編集部
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