会見する佐々木則夫女子委員長＝東京都文京区（蔵賢斗撮影）

日本サッカー協会は18日、女子日本代表「なでしこジャパン」に熊谷（ローマ）長谷川（マンチェスター・シティー）ら23人を選出した。26日に東京・国立競技場で韓国代表と国際親善試合を行う。五輪後に退任した池田監督の後任は未定。監督代行を務める佐々木則夫女子委員長は東京都内で記者会見し「2027年ワールドカップ（W杯）、28年ロサンゼルス五輪に向けた準備として、意義のある試合にしたい」と話した。 【写真】女子日本代表に選出された熊谷と長谷川 監督代行の佐々木女子委員長が〝原点回帰〟を宣言した。「『なでしこ』のよさは攻守の連係・連動にある。攻撃的な守備からボールを保持する」。チームをW杯優勝や五輪銀メダルに導いた元指揮官は、主導権を握るスタイルを取り戻したい意向を示した。 池田前監督は人数をかけて自陣に堅固なブロックを築いてからのカウンターを志向した。2023年W杯を制したスペインを、1次リーグでは4－0で下すなどインパクトも残した。しかし同大会と今夏のパリ五輪は、準々決勝敗退と力を出し切れなかった。 佐々木氏は「パリ五輪4強チームがボールを奪うまでにつながれるパスは6～8本。『なでしこ』は約18本だった」と具体的な数字を挙げ、消極的だったと指摘。「私が監督だったときは10本以内のイメージ」と述べ、前線から激しくボールを奪いにいく守備の重要性を強調した。 佐々木氏は次期監督選考を主導する女子委員長。自身に似たサッカー観を持つ人材を求めるだろう。「指標となるような試合をして次の監督にバトンを渡したい」。パリ五輪代表を軸としながら20歳以下を8人招集した新生なでしこが、世界を制したスタイルで新たな道を歩み出す。（奥山次郎）