【ファクハク】工場をイベントに! 全国で盛り上がる「オープンファクトリー」が静岡市でも開催
1日で3つの工場を見学
そして、豪華な昼食のあと、向かったのが静岡市清水区の「興津螺旋(おきつらせん)」。ねじを作っている会社です。 この会社は女性が多いことで知られていて、女性社員は「ねじガール」の愛称で知られています。「ねじガール」の案内のもと、金属がねじに加工される工程を見学。針金が機械に吸い込まれて、ねじになって出てくる様子を参加した人は食い入るように見ていました。できあがったねじを洗浄、検品して、出荷されるまでの工程を「ねじガール」が丁寧に説明してくれます。 この工場は、通常は土日が休みですが(ツアーは土曜日)、今回はファクハクのために休みの日を変更し、工場を稼働させていました。 ●興津螺旋 柿澤宏一社長: 「前から小学生を対象にワークショップをやっていました。その対象が大人にも広がって面白そうだなって思って『ファクハク』に参加しました。こういう初めて見る工場では、大人の人も子供のような表情になってかわいいんです。熱心に見てもらえてうれしい」 そしてハイライトは「ねじづくり」のワークショップ。手動のハンドルをまわしてねじやまを切り(本来はこの作業は機械で行われます)、ねじが完成。できあがったねじに好きな文字をいれて、「世界で一つ」のねじのできあがり。小さな瓶に入れてもらって、参加者は大喜び。 そしてツアーの最後を飾る「大日工業」はすぐお隣り。参加者はガイドの後を一列になって徒歩で移動します。 これまでの工場では、撮影は「ウエルカム」だったのに対し、この工場は基本的に撮影はNG。いままで写真を撮りまくっていた参加者たちに緊張が走ります。「この工場には秘密のものがあるのか?」 「大日工業」は「基盤」と呼ばれる電気製品の部品を加工するメーカー。この日、見学したのは主に大手電機メーカーのエアコンの基盤だということです。これまでの2社が「ファクハク」用の特別運用だったのに比べて、こちらは普段どうりの作業をみてもらおうという姿勢。もちろんそれは大歓迎。写真は撮れなかったけど、社員が「秘密のもの」について丁寧に説明してくれました。 お金を払って参加するツアーだけに、参加者も好奇心旺盛。疑問に思ったことは何でも聞こうという姿勢。それに対して工場の人たちは、どんな質問にもわかりやすく答えてくれます。「自分たちの仕事をわかってもらいたい」そんな思いが伝わってきました。今回訪問した3社とも、社長自らが顔を見せたことも本気度ををうかがわせました。 3つの工場をめぐり、参加者たちも疲れた様子。帰りのバスが静かだったのも、遠足を思い出しました。静岡駅に着いたのは午後5時。参加した人は…。 ●40代女性 「自動車部品などを作るメーカーに勤めています。ほかの工場は自分のところとどう違うのかと思って参加しました。工場といっても会社によって全く別物なので。いい会社だなと思ったところもありました」 ●20代男性 「8月に静岡市の機械メーカーに転職しました。仕事に役立つかもしれないと思って参加しました」 ●50代男性 「説明がわかりやすかった。やっと『溶射』を理解できました」 ●30代女性 「工場勤務ではないが、むちゃくちゃ面白かった。それぞれスタンスは違うが、社長からもお話をきけたのがよかった。また参加したい」