【絶対やめて!】中学受験、最後の追い込みで「子どもを壊してしまう親」の共通点
中学受験の第一志望合格に向けたラストスパートを大成功させるために、12月に気を付けたいポイントとは。この冬、中学受験の本番を迎える小学校6年生の中学受験生の親子に向けて、受験のプロがエールと、追い込み勉強のためのヒントを贈る。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之) 著者プロフィールを見る ● 最後の模試以降に「伸びた」と 実感する瞬間がやって来る 大手塾の場合、この12月に受ける模試が「最後の模試」となります。まずは、お子さんを褒めてあげましょう。土曜日や日曜日に朝から塾の試験会場に行き模試を受け続けてきたこと、模試を完走できたこと、継続できたことも立派な成果です。 さらに、今までの模試を保管しているのであれば、それらを積み上げてみると「頑張り」が可視化できます。この時、一番最初に受けた模試と最後の模試を比べてみることもお勧めしています。解ける問題が増えているのはもちろんですが、書かれた文字からも成長が実感できるのではないかと思います。 さて、「模試がない」この時期からは、親子とも余計なプレッシャーから解放され、志望校合格に向けてやるべきことも明確になります。そのため、志望校の過去問演習に集中することができるようになり、過去問の点数を大きく伸ばす子がいます。 もし最後の模試結果が惨憺たるものだったとしても落ち込む必要はありません。背水の陣を敷くしかなくなり、親子とも覚悟を決めることで学習にエンジンが掛かる家庭も少なくないからです。 発破をかけるために子どもにさまざまな言葉がけをするシーンも増えていきます。ここで親のほうがヒートアップして、過激な言葉を思わず口にしてしまうことがあるかもしれません。先に「絶対に使ってはいけない言葉」をお伝えしておきます。
● 直前期の子どもに 言ってはいけないNGワード 私の考えるNGワード1位は、「偏差値○○以下の学校は行っても意味がない」など、学校を否定する言葉です。 大人の何気ない一言で、子どもに偏った価値観が生まれたり、他人、ときには友人までをも馬鹿にするような言動に繋がってしまうことがありす。「高い目標を持て」と伝える意図による発言かもしれませんが、子どもにはストレートに伝わりませんし、この言葉を掛けられてモチベーションが上がることはまずありません。 子どもは人生の経験がまだ浅いので、視野が狭く、大人が思うよりもはるかに強い思い込みを抱きやすいものだと考えておきましょう。 同様に「公立中学への批判」もNGです。何かの事情で公立中学に通うことになることもあるので、絶対に言ってはいけない言葉の一つです。 ● 勢いをつけるキーワードは 「覚悟」「自分との競争」 子どもをプラス思考で明るい性格に育てたければ、まず大人が率先して「温かい言葉かけ」を心掛けたいものです。おすすめの言葉を先日刊行した書籍*より、紹介させていただきます。 「覚悟を決めよう!腹をくくろう!!」 自分の良いところも、だめなところもひっくるめて、今までの中学受験生活を肯定する気持ちを持つことが、覚悟を決めることにつながります。 中学受験の勉強のプロセスでは、決して勝つことばかりではなく、正直、負けて悔しい思いをすることもたくさんあったかと思います。その競争を通して、子どもは自分の弱みだけでなく強みを知ることができたのではないでしょうか。つまり、より深く自分というものを理解する体験もできたのではないかと思います。 この体験が、きっとこの後の人生につながる意味のあることだったと胸を張って良いのです。(中略)昔の人は覚悟を決めることを「腹をくくる」という言い方をしました。力が湧く言葉だと思います。最後の瞬間は、腹をくくってやり抜きましょう。 「直前期は、昨日の自分との競争です」 中学受験はメンタルが重要です。いや、勝負事でメンタルが重要ではないものがないはずです。過去問は最初は全然できなかった問題も、正解の数が増えてきているかと思います。 しかし、第一志望については、なかなか合格最低点に達しない、また達したとしても苦手科目が足を引っ張ることもあるというのが現実だと思います。そんなとき、こだわって欲しいのは、入試は自分との競争だということです。たとえ他の教科よりも点数が低い教科があったとしても、今までの点数の中で最高点だったら、大きく喜びましょう。 (中略)これからの時期は勢いをつけることも大事になってきます。「良い結果が出たときには油断するかも」と思わずに、良い結果が出た瞬間は家族で大喜びして良いと思います。中学入試は、ゴールラインを疲労困憊で超えるのではなく、「笑顔で駆け抜ける」イメージのほうが絶対にうまくいくものです。 *2024年11月21日発売『中学受験で合格に導く魔法のことば』(著・渋田隆之/KADOKAWA)のP110~111、126~127より抜粋 さらに、次ページでは勉強面の追い込み策としてポイントを2点お伝えします。