佐賀市営バス利用が過去26年で最多へ サンライズパーク臨時便などが要因
佐賀市営バスの2024年度の利用客数が、2023年度の359万人から21万人増加し380万人となる見込みになった。佐賀市が12月24日に発表した。(佐賀経済新聞) 【写真】「SAGAバルーナーズ」公式戦に合わせて佐賀市営バスに表示する方向幕 佐賀市営バスの利用客数は、1968(昭和43年)度の1500万人をピークに2005(平成17)年度の254万人まで減少。その後、佐賀空港線やゆめタウン線などの開設、フリー定期券導入の効果で増加に転じ、2019年度に330万人まで回復したが、翌2020年度はコロナ禍で243万人に減少した。 市によると、2023年度以降、コロナ禍前となる2019年度の利用客数を上回った要因の一つが、昨年5月にオープンした「SAGAアリーナ」を含む「SAGAサンライズパーク」への臨時便。2023年度は5月以降、通常便に加え、土曜・日曜に「準急」を1日当たり24本運行したほか、バスケットボールなどのプロスポーツの試合やコンサートなどのイベント開催時には臨時バスを運行。年度で合計6000本運行し、約5万9000人の利用があった、2024年度は12月22日までに412本の臨時バスを運行し約1万1200人の利用があったほか、10月に開催された「国民スポーツ大会」の観覧客を中心に、通常便でも昨年を上回る利用があり、年間利用客が380万人となるのは1999年以降の26年間で最高水準になるという。 2022年から、佐賀県が企画し、運賃が無料となる「さがバスまるっとフリーDAY」に、2022年度は18万人、2023年度は10万6000人が利用し、これまでバスを利用したことがなかった人が利用するきっかけを作ったほか、市営バスが販売する中高生限定の乗り放題定期券「ノリのりワイド」の売り上げが増加していることも挙げられるという。 佐賀市は現在、バス路線や運行本数を維持するため、運転士を募集している。市によると、運行に必要な「勤務交番人数」103人に対し11人不足しているが、本年度の採用活動で、年度末時点で5人不足まで回復する見込み。UIJターン希望者への募集案内や移住イベントに参加するなど、さまざまな取り組みを行っているという。 佐賀市交通局副局長の小林知季さんは「今後もSAGAアリーナなどでのイベント時の対応で利用機会の確保と運転手の確保に努めていきたい」と話す。
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