斎藤元彦氏SNS活用「民意得て」兵庫県知事選に再選…維新・吉村氏「“なかったように”は筋通らぬ」25日に百条委員会で証人尋問
今後の焦点…県議会議員との向き合い方
また、一部のSNSで、テレビや新聞などの報道のあり方に不満が広がったことについては「メディアリテラシーというか、そういったことが問われた今回の兵庫県知事選挙だと思いますけども。私自身はメディアの皆さんとはこれまで通り、これからも一緒になってやっていきたいなと思っています。(Q.真実はSNSとメディアどちらにあると思うか?)私は別にどっちが真実があるないって言ってはないと思うので。一つのメディアがすべてではないはず」と語った。 返り咲きを果たす中、今後の焦点のひとつは、全会一致で不信任を突きつけられた、県議会議員との向き合い方だ。 大阪府知事で日本維新の会の吉村共同代表は、「この兵庫県知事選挙をめぐっては、いろいろ僕自身も思うところがあります。何事もなかったようにというのでは、筋は通らないと僕は思っています」と会見で話した。 兵庫県の百条委員会は斎藤氏が失職したことで“中断”していたが、まだパワハラなどがあったかどうかの結論は出ていない。 そんななか、百条委員会は18日午後、25日の証人尋問で斎藤氏に出頭要請する事を決定した。
“SNS時代の劇場型選挙”の勝者
知事失職からの出直し選挙で、斎藤元彦氏は、なぜここまで支持を広げることが出来たのか。 兵庫県の有権者は「SNSもずっとXとか見てて、なんか自分が思ってたのと全然違う印象に途中でガラッと変わったので。なんかすごい不思議な感じの知事選だったなってイメージ」と振り返る。 斎藤氏の再選に、大きな役割を果たしたとみられるのが“SNSでの情報拡散”だった。斎藤氏に投票した有権者に“心が動いた瞬間”について聞くと、「(Q.投票は?)行きました。特に演説見たりはしてないんですけど、Xに回ってきた、高校生とかが『斎藤さんのおかげで学校が綺麗になりました』、みたいなやつ。こういう人だからもう一回当選して兵庫県のためにやってくれるんじゃないか、みたいなの(動画)を見た」とスマホで動画の画面を見せて答えてくれた。 多くの人が見たというSNSの動画が、斎藤氏の街頭演説に現れ「学校の設備が良くなった」と涙ながらにお礼をしたという女子高校生の姿だった。 斎藤氏に投票した決定打について尋ねると、「ネットですね、ネットです。自分の生活の一部やし、ネットが。それを鵜呑みにしてるわけじゃないんですけど、一つの参考として取り入れてます」と答える人もいた。 さらに、「YouTubeで『斎藤元彦』って打つとメチャメチャ出てきて」といい、斎藤氏の街頭演説に多くの人が集まっているのを見て、「YouTubeを検索した」という人もいて、映像を見て心境の変化があったか兵庫県の有権者に尋ねると、「全く180度変わりました。パワハラとかおねだりとかよくないところばかり入ってきてたので。県民としては税金を正しいことに使って欲しいので、そっち(の公約)を信じようと思うようになりました」という意見も聞かれた。 今回の県知事選について専門家はこう指摘する。 法政大学大学院 現代政治分析 白鳥浩教授: 斎藤さんの(知事としての)資質を問う選挙から、最終的には、多く流れていく情報を信じるか。何を信じたいかという選挙に変わってきた。そうなってくると、より多くSNSを使って発信している方にとって有利になっていく。“SNS時代の劇場型選挙”というものを、斎藤さんが勝ち抜いたと言ってもいいだろう。
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