ソフトバンクグループの孫正義氏、癌や事故をなくして人類をより進化させる超知能「ASI」に強い意欲を打ち出した理由
プレゼンテーションでは、現状の課題への言及は少なく、孫氏はむしろ、こうした投資家の関心を相対化するような発言が目立った。 「壮大な使命と壮大な夢、強い思いに比べたら、1日今日株価が上がったの下がったとか、自己株買いするのかとか、配当どうとか、小さいじゃないですか。今日株式総会で聞きたいですか」(孫氏) ■問われる今後の「アウトプット」 ASIに向けてどのような企業戦略を取るのか。その具体的な道筋も不透明だ。孫氏は「莫大なお金もかかりますからパートナーと資金を出し合ってやりますし、また技術においてもパートナーと提携しながらやっていく」と述べるにとどめた。
ASIについて、孫氏の右脳がフル回転して生み出したという解法が、どのような形で具体化されていくのか。今後のアウトプットこそが、ソフトバンクグループの真価を問うものとなるだろう。
石井 徹 :モバイル・ITライター