「ママはご飯を作ってればいいから」 母親をなめる息子…どうコミュニケーションすれば?
子離れ、親離れの難しさは、核家族が当たり前になった現代の課題でもあります。いつまでも子どもでいられても、逆にあまり急に大人になられても、戸惑う親は多いでしょう。思春期の子と親のリアルな悩みを聞いてくれるのは、「ビリギャル」として知られる小林さやかさん。先日、アメリカのコロンビア大学教育大学院を「オールA」で修了した彼女が、親世代に伝えるアドバイスとは? 【写真】続く不合格に「浪人する」 あきらめた息子を変えた母の行動
【相談】
Q.息子は高校2年生です。中学時代から自立心が旺盛でしたが、高校に入るとますます拍車がかかり、大事なことも親には何も相談せずに決めてしまうようになりました。勉強にもスポーツ系の部活にも一生懸命に打ち込んでいて、親から見ても高校生活は充実している様子。異を唱えるつもりはありませんが、すべて事後報告なので「えっ!?」と驚くことも多く、少々寂しい気がしています。急激な成長に私が追いついていないだけかもしれませんが、「ママはご飯を作ってくれていればいいから」と言われると、なんだか少しモヤモヤ。しっかりしているとはいえ、まだ高校生ですし、受験期には親として把握しておくべきこと、サポートすべきこともあると思うのですが、このまま本人任せでよいのでしょうか。もう少しコミュニケーションを取るにはどうしたらよいでしょうか。(母親・54歳・神奈川県在住)
「私」の気持ちを、子どもに伝える
【回答】 息子さんの成長、嬉しい気持ちと寂しい気持ちとの葛藤。親御さんあるあるですよね。勉強も部活も頑張っていてなんの申し分もない様子。なので、ぜひ「大人同士」のコミュニケーションを、楽しんでほしいなあと思います。 男の子があまりお母さんにいろんな話をしないのは日本の文化でもあると思いますが、まずできることは、以前にもお話しした「Iメッセージ」での投げかけかな。「お母さんは最近こういうことを考えているんだけど、あなたはどう思う?」などと、相手のことを知りたいのなら、「私」を主語にして、まず自分の気持ちを伝えてみましょう。 ただ、見過ごせないのは、「ママはご飯を作ってくれればいい」という言葉です。普通に考えてすごく腹が立ちますよね。「だれが育ててきたと思ってんだ、ちょっと来い!」って思っちゃいました(笑)。このままじゃ息子さん、時代遅れの昭和な亭主関白になりかねません。令和ではたぶんあんまりそれモテないんで、息子さんのためにも、お母さんはもっとはっきりそこには異を唱えていいと思いますよ。 ここでも伝えるべきは、Iメッセージとしての「私はそんなことを言われたらすごく嫌だ」という気持ちです。お母さんは息子さんとのコミュニケーションのために、相手の話を聞く必要があるとか、親として何かアドバイスしてあげなければいけないとか思っているかもしれません。でも私のおすすめは、お母さん自身の話を子どもに聞いてもらうことです。「聞いて、今日こんなことがあったの」とか、「こういう問題、今はどうなっているの?」とか。相手の話は、自分が話した上で「ご意見拝聴」するぐらいでOK。 Iメッセージのキャッチボールができるようになると、信頼関係が築けます。そうすると、だんだん息子さんもお母さんに色んな話をするようになるんじゃないかな。まずは、親子という関係に甘えずに、地道に信頼関係の構築です。上下関係はそこにはなくて、対等なコミュニケーションを意識して。