パナソニック、Anthropicとの提携など生成AI活用成長戦略「Panasonic Go」構想。CES基調講演で明らかに
パナソニックグループ(以下パナソニック)は、CES開催初日(米国時間1月7日)の午前中に開幕基調講演を実施。グループCEO 楠見雄規氏が登壇し、「Well into the future」をテーマとして同社の企業戦略などに関しての説明を行なった。 【画像】Panasonic Goのブランドロゴ この中でパナソニックは、生成AIを活用したビジネスへの変革を推進するグローバルな企業成長イニシアチブとなる「Panasonic Go」を策定したと明らかにした。パナソニックはPanasonic Goの下で、AIを活用したハードウェア、ソフトウェア、ソリューション事業などの売上を、2035年までにグループ売上全体の約30%規模にしていくことを目指すと説明した。 また、OpenAIにならぶLLMなど、生成AIのファウンデーションモデルを開発するベンダーとして知られるAnthropicと、グローバルな戦略的提携を結んだことなども明らかにされている。 ■ パナソニック全体の売上30%を生成AI由来にする意欲的な「Panasonic Go」。Anthropicとの提携も パナソニックが発表した「Panasonic Go」は、生成AIのテクノロジーを活用してパナソニックのビジネス変革を促すための成長戦略となる。パナソニックはPanasonic Goにより、生成AIを活用した新しいハードウェア、ソフトウェア、ソリューションなどを次々に導入していき、2035年までに生成AI由来のビジネスがグループの売上全体の約30%規模にすることを目指すという。 Panasonic Goの「Go」という名称は、パナソニックの創業者である松下幸之助が1932年に掲げた「250年計画」(250年後も存続している企業になるための企業成長プラン)が、2032年~2056年に第5節を迎えることにかけたものだという。 今回の基調講演の中でパナソニックは、同社が買収したBlue YonderのAIを活用したサプライチェーンマネージメントの事例を紹介したほか、AIエージェントを活用した新しいウェルネスサービス「Umi」を2025年に北米で導入することなどを明らかにした。 そのUmiは、OpenAIの主要なライバルと目されているAnthropicのLLM「Claude」に基づいている。今回のパナソニックの基調講演にはAnthropicの共同創始者 ダニエラ・アモーデイ氏が登壇し、パナソニックとAnthropicとの協業に関して説明を行なった。 パナソニックによれば、Anthropicと戦略的提携を進める計画で、パナソニックがAnthropicのAIアシスタント「Claude」を活⽤してさまざまなサービスなどを構築していくことが可能となる。顧客に対して、Claudeを利用したパーソナライズ化されたAIによるサービスを提供していく。 このほかにも、純水素型燃料電池・太陽電池・蓄電池を高度なエネルギーマネジメントシステムで連携制御するエネルギーソリューション「Panasonic HX」の実証実験について、すでに行なっている草津や英国に加えて、ドイツミュンヘンでも行なうと明らかにした。 さらに、米国向けに住宅向け全館空調システム「OASYS」などを発表し、地球環境問題を解決するさまざまなソリューションを提供する計画などを明らかにし、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を推進していくことなどを説明した。
PC Watch,笠原 一輝