【勝者は誰だ?】ダイハツ・タントの生産停止で販売を伸ばしたのはスペーシア? それともN-BOX?デリカミニとルークスは?
2023年12月、ダイハツ工業が長年にわたり行ってきた100を超える不正行為が表沙汰となり、同社は全面的に生産を中止することになる。その後、国土交通省などによる検証を受け、一部の型式取消となったモデルを除き、ダイハツ車の生産は再開されている。はたしてダイハツが生産休止をしている間に”漁夫の利”を得たのは、どのクルマだったのか。軽自動車の販売統計データから読み解いてみよう。 【写真を見る】前年比130%超と好調なスズキ・スペーシア。※本文中に画像が表示されない場合はこちらをクリック REPORT&PHOTO:山本晋也(YAMAMOTO Shinya)
じつはN-BOXやルークスは前年同期比で伸びていない!?
2023年12月に認証不正を発表、その後国内における新車生産および出荷を停止していたダイハツ工業。その後、国土交通省や関係機関により各モデルが基準を満たしていることが確認され、国内4工場での生産がすべて再開することになった…ところまでは報道などで目にしていることだろう。 ダイハツが生産および出荷を停止している期間、日本の自動車マーケットはどのようになっていたのだろうか。ダイハツの主戦場である軽乗用車マーケットについて、2024年1月~4月の販売統計をベースに確認していきたいと思う。 では、2024年1月~4月における軽乗用車の販売統計データからトップ8を抜き出してみよう。 2024年1月~4月 軽乗用車 新車販売ベスト8 1位 ホンダN-BOX 6万9295台 前年比84.3% 2位 スズキ・スペーシア 5万6783台 同131.6% 7位 スズキ・ハスラー 3万5326台 同159.6% 3位 日産ルークス 2万7632台 同89.3% 4位 スズキ・ワゴンR 2万9473台 同109.0% 5位 スズキ・アルト 2万5432台 同100.7% 6位 三菱デリカミニ/eK 2万4342台 同283.6% 8位 日産デイズ 1万9332台 同161.4% ※全国軽自動車協会連合会発表値より抜粋 当たり前のように、この中にダイハツ車は登場していない。 だからといって他モデルが圧倒的に伸びているわけではないのが興味深いところだ。 ホンダN-BOXは相変わらず不動のトップを守っているが、前年比でみると販売台数は減っている。同じく、日産ルークスも流れてくるであろうダイハツ・ユーザーを拾えていないという結果になっている。 同時期におけるダイハツの軽乗用車販売は2万9328台で、前年比19.5%。単純計算すると12万台ほどの需要が他ブランドに流れる可能性はあったのだが、全ブランドが漁夫の利を得て伸びたわけではないのだ。 ホンダや日産といった登録車のイメージが強いブランドは、ダイハツ・ユーザーの受け皿にならなかったということだろうか。