「タイヤチューブ交換のコツ」を覚えておけばタイヤ交換は楽々可能?
ちょっとした「コツ」を覚えるだけで楽々作業
────────── ケミカルは積極的に利用してゴムの滑りを良くしよう!! ────────── ビードを起こすときには、手前側のサイドウォールを両膝で押し込み、ビード落としをキープしながら反対側にタイヤレバーを差し込み、ビードを起こすと作業性が圧倒的に楽になります。大型モデル用ホイールの場合は、ビードキーパーと呼ばれる工具が2~3個あると膝を使わなくて済みます。写真にはありませんが、ホイールからタイヤを外す前に、ビードクリームをスポンジに取り、タイヤビード両面に塗布することで、ホイールから取り外す旧タイヤが滑りやすくなり作業性が高まります。金属とゴムの滑り抵抗は想像以上に大きいので、タイヤの脱着時にビードクリームを利用することで、驚くほど滑りが良くなり作業性が高まります。タイヤを外したらリムバンドを外して必ず点検しよう。特に、バルブ金具を通す穴部分で切れてしまうことが多いので、タイヤ交換+チューブ交換と同時に、リムバンドも新品に交換するのがベスト。バンド切れが原因で、スポークニップルとチューブが擦れてパンクしてしまう現実を目の当たりにしたことも…… ────────── タイヤレバーの利用時にはヒザの使い方で作業性が変わる ────────── ホイールにタイヤ片側を組み込んだらチューブを挿入するが、このときにあると便利なのが、エアーバルブの差し込みガイドとなるエアーバルブプーラーだ。このアイデア工具は一度でも使ってそのありがたさを知ると、絶対に欲しい工具となる。リム穴からガイドを差し込み、エアーバルブのコア部分にガイドをねじ込んでからワイヤーを引っ張ることで、バルブ金具がスーッとリム穴を通る仕組みだ。バルブ金具を通したら、ナットを仮締めして抜け止めとするが、その際には、薄ナットを数回転回すだけで金具はフリーにしておこう。バルブ部分のチューブはタイやビードに挟まれやすいので、バルブを可動できるフリー状態にしておくことで、挟まれたチューブを復元しやすくなる。タイヤビードを組み込む前に、チューブにエアーを少しだけ入れて、タイヤ内に押し込んだチューブがヨジレていないか指先でかくにんしよう。タイヤを組み込むときには、分解時とは逆の手順で、手前のビードを両膝で押し込みながらタイヤレバーで反対側のビードを組み込もう。エアーを入れる前には、再度、ビードワックスをタイヤビードやリムエッジに塗布し、滑りを良くしてからエアー注入し、両面のビード全周がしっかり上がっていることを確認してから、規定のエアー圧に調整しよう。 【POINT】 ▶ポイント1・山があるから、溝が残っているから大丈夫ではなく、一定期間経過したタイヤは積極的に交換しよう!! ▶ポイント2・ スポークホイールの場合は、タイヤだけではなく「チューブ」と「リムバンド」の交換をお忘れなく!!購入忘れにも要注意 ▶ポイント3・新品チューブは一度自立する程度に空気を入れて、折りたたみのクセを取り、シリコンスプレーやビードクリームで磨いて滑りを良くしよう ▶ポイント4・エアー圧チェック時にはエアーバルブ金具の倒れに要注意。斜めっていたらエアーを抜いてチューブの組み込み位置をフリーにして、再度エアー注入しよう 「パンクで困ってしまうこと」は、誰にでも起こり得るトラブルだと思う。その修理や復旧時には(特に、新品タイヤやチューブを組み込み復元するときには)、様々なノウハウがあるので知っておくと良いだろう。ここでは、新品タイヤとチューブを、スポークホイールに組み込む際の手順を写真解説しているが、ちょっとした気遣いで、作業性は大きく大きく変わるものだ。過去に何度もこのような作業を実践し、実は、何度も失敗したことがあるが(今でも失敗することがあります)、手抜き作業というわけではなく、ちょっとした気配りひとつで、作業性には大きな違いが出てしまうのが、新品タイヤとタイヤチューブの組み込み作業だと思う。 滑り止めに使われることが多いゴム部品なので、乾燥状態のゴム部品と金属部品は、摺動性が極めて良くない。タイヤ自体が、路面との滑りを防止する大切な部品なので、路面と直接触れていない部分でも、滑りは決して良いものではない。タイヤビードとリムの滑りは決して良くないので、その潤滑性を高めるのがビードワックスやタイヤクリーム。潤滑摺動性を高めることで、タイヤの滑りが良くなりタイヤレバーをクルッと返しやすくなる。タイヤの組み込み作業を終えた後は、エアー圧でビードを持ち上げてリム壁へ食い付かせる作業を行うが、その際にもタイヤの滑りが良くないと、スムーズなビード上げができなくなってしまうのだ。 タイヤチューブとタイヤレバーの関係性も同じと言えるだろう。特に、新品チューブをタイヤレバーで挟んでしまい、ダメージ=パンクさせてしまうことがある。パッケージからチューブを出したら、軽くエアーを入れて、折りたたみのクセを伸ばし、チューブ表面をシリコンスプレーで磨くことで驚くほど滑りが良くなり、チューブの組み込み作業性が良くなるのだ。 ちょっとした部分に気を使って作業進行することで、確実かつ間違いなく手際良く作業進行できるのが、タイヤ&タイヤチューブ交換でもある。次の機会には是非ともお試しください。作業性の良さにはきっと誰もが驚くはずだ。
たぐちかつみ