【特集】“日本海側の地震”の特徴とは 専門家が示す「能登半島地震」と「中越地震」の“似たような傾向” 今後は 《新潟》
余震ではなく“別の地震”
こちらは中越地震の震源地となったエリアの地下を模式化したもので、色がついているのが断層です。 新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志教授 「赤いところが一つの断層面で地下の断層だと考えると青い星のところが地震ということになります」 卜部教授によりますと、本震は「赤い断層」で発生しましたが、その後は「オレンジの断層」や「緑の断層」でも地震が発生していたということです。 新潟大学災害・復興科学研究所 卜部厚志教授 「普通だと一つの断層が動いて本震で断層ができて、そこで余震が起こっていくことも多いが、中越地震の場合はちょっと離れたところで完全に違う断層がもう一回割れているので、総じては全部余震と言いますが、ちょっと小さめの別の地震が起こっている」 被災者の記憶に刻まれた余震。実は本震の断層とは離れた別の断層が割れて地震が起きていたというのです。 複数の断層の活動によって余震が多くなる現象は、能登半島地震でも起こっていた可能性があります。
複数断層で余震…能登半島地震でも
東京大学地震研究所観測開発研究センター 篠原雅尚教授 「余震分布のかたちが私たちがつくった、日本海プロジェクトの“断層モデル”と非常によく一致することが分かりました」 東京大学の篠原雅尚教授は、東日本大震災のあとに、日本海側の地震や津波のリスクを知る必要があると、活断層を調査するプロジェクトを進めてきました。
断層に沿って地震が
東京大学地震研究所観測開発研究センター 篠原雅尚教授 「これ(黄色線)が、日本海の断層モデルNT2、3、4、5、6ですね。地震が起こった3週間から1か月ほどの余震を全部決めてプロットした図なので、これをみると(余震が)断層に沿っているということ(が分かります)」 このことから篠原教授は断層モデルの正確性が確認できたと考えていて、ほかの地域での地震を想定するのに役立つと指摘しています。