定年退職後も5年間は再雇用で「厚生年金」に加入を続ける予定です。受け取れる年金はいくら増えますか?
老後に受け取れる公的年金の一つである「老齢厚生年金」は、加入期間の長さによって受け取れる金額が変動します。定年退職後も働けば、働いた期間に応じて増額した金額を受給可能です。 もし自分が実際に受け取れる具体的な金額を知りたいのであれば、「ねんきんネット」の利用も検討しましょう。今回は、老齢厚生年金の求め方や再雇用で5年働いた場合に増える金額などについてご紹介します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
老齢厚生年金額の求め方
老齢厚生年金額は、平均標準報酬月額(賞与を含む平均月収額)と厚生年金の被保険者期間によって決まります。もし平成15年4月以降に厚生年金へ加入したとすると、老齢厚生年金額の計算の基礎となる「報酬比例部分」の計算式は以下の通りです。 ・平均標準報酬額×0.005481×厚生年金保険の加入期間月数 平均標準報酬額は、各月の標準報酬月額と標準賞与額の合計を加入月数で割って求めます。なお、平成15年3月以前の加入期間がある場合は計算式が異なるので注意が必要です。
60歳まで働いたときの年金額はいくら?
今回は、以下の条件で60歳まで働いたときに受け取れる年金額を求めます。 ●平均標準報酬額が20万円 ●22歳から厚生年金に加入 ●厚生年金に加入した年は平成15年4月以降 ●国民年金は全期間納付済み ●老齢基礎年金額は、日本年金機構「令和6年4月からの年金額等について」を基に、令和6年度の額で算出 ●報酬比例部分がそのまま老齢厚生年金額 まず、国民年金を欠かさず納めているため、老齢基礎年金は満額受給できます。令和6年度における満額のときの老齢基礎年金額は月額6万8000円、年間81万6000円です。厚生年金には22~60歳の38年間(456ヶ月)加入しています。これらの条件を基にすると、報酬比例部分を求める式は以下の通りです。 ・20万円×0.005481×456ヶ月 計算すると、老齢厚生年金は49万9867円受け取れます。実際に受け取るのは老齢基礎年金との合計額なので「81万6000円+49万9867円」となり、60歳まで働いたときに受け取れる年金額は131万5867円です。月額だと約10万9656円受け取れます。