長期金利が1%に上昇 11年ぶり高水準
22日の東京債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇(国債価格は下落)し、一時、前日終値と比べ0・020%高い1・000%に達した。1%台を付けたのは2013年5月以来、11年ぶり。22日の終値は前日比0・015%高い0・995%だった。市場では金融政策の正常化の一環として、日銀が国債の買い入れ額を本格的に減らすとの思惑が広がり、国債が売られ金利上昇の圧力が高まっている。 【図解】2024年の暮らし、こう変わる 日銀は3月にマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げを決定。長期金利を0%程度に抑えこむ長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)も撤廃した。 金融政策の転換後は0・7%台半ばで推移し、米金利の上昇傾向などにつられて徐々に上昇。今月13日に日銀が国債の購入予定額を減らすと発表し、上昇傾向が強まった。 日銀は一定の国債買い入れを続けて低金利の環境を当面維持し、賃金と物価が上昇する好循環の実現を目指している。金利が上昇すれば、企業の設備投資需要などが冷え込む可能性もある。22日の東京株式市場の日経平均株価は景気の先行き懸念を反映し、前日終値比329円83銭安の3万8617円10銭となった。【成澤隼人、竹地広憲】