批判から称賛に一気に変わった災害時の山内泉アナのアナウンス…ルーツは2017年の勉強会にあった
「今すぐ逃げること!」「東日本大震災を思い出してください!」…山内泉アナの避難を呼びかける声が
「NHKの津波警報のアナウンス、怖すぎる」「NHKのアナウンサーの絶叫、感情的すぎて不安になる」――1月1日の能登半島地震の発災後、SNSには一時的にこうしたつぶやきが続出した。 【画像】「峰不二子みたい」SNSで注目 異色の〝ラテン系〟中川安奈アナがNHK次期エース戦線急上昇のワケ しかし、それが、日本音響研究所・鈴木創さんがX(旧Twitter)で発信した以下のつぶやきを契機に大きく変わる。 〈今回の #津波警報 に際して #NHKのアナウンサー が感情的だという批判が出ているとのことだが、紅白の司会もされていた #高瀬アナ らが発起人となって2017年に弊社で勉強会を行いました。 そこでの重要課題が正常性バイアスで逃げ遅れてしまう恐れがある人をコタツから立たせて避難させるにはということを真剣に討論して、ある程度の危機感を煽るためには少々感情を込めなくてはならないという結論に至りました。 怖いという感想を持つ方もいらっしゃるとは思いますが、その情報が必要な人の生命を守るためということを考えて目をつぶって欲しいです〉 このつぶやきが拡散されていくと、批判の声が一気に称賛に変わっていった。 これを機に、NHKアナのアナウンス技術の高さや、アナウンスに対する意識の高さが注目されているが、そもそも’17年の勉強会とはどんな内容だったのか。なぜ日本音響研究所が? そのきっかけについて、日本音響研究所・鈴木創さんに聞いた。 「’17年にNHKさんの番組『人名探求バラエティー 日本人のおなまえっ!』の第2回の放送で山田という名字について考察をしたんですね。その際、山田という名前はどういう響きなのかという取材が来て、音韻について声紋を出して、音をビジュアル化して視覚で確認したところ、高瀬耕造さんなどが興味を持たれて、アナウンサー対象の勉強会の開催を依頼されたんです」 勉強会の参加者は10名強。テーマの1つは、「現役アナウンサーたちに同じ原稿を読んでもらい、その人がニュースに向いているのか、あるいはスポーツ実況か、どういう番組が良いかなど、個人の特性を分析する」というもの。 もう1つは、「アナウンサーが担当することが多かったドキュメンタリーなどのナレーションに、最近は俳優・声優などの起用が増えている。アナウンサーのアイデンティティや技術を持って一歩踏み込んだナレーションをするには、どうしたら良いか」。 そして3つ目が、高瀬アナ提案による緊急時のアナウンス方法だったという。 「例えば『津波警報』と『大津波警報』など、段階によって話し方を変えて、本当に緊急事態であるという情報を、サイレンのような緊急音と同じ意味合いで声にのせてあげないといけないということでした」