那須川天心のボクシング1000万円企画。フリーボクサー中村優也「天心は(無名の元アマチュアに)勝てない」と大胆予想
AbemaTVの開局3周年記念番組「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」の「挑戦者決定トーナメント」がファンの間で「茶番だ!」と批判の的になっているが、そのオーディションに“落選”していたフリーランスボクサーの中村優也(28)が、今回のトーナメントの問題点を指摘した。 「青木選手がドタキャンして代役で出場した大井選手は推薦出場らしいですが、それなら、そもそも応募もオーディションも必要なかったんじゃないですか。ネットでも批判されていますが、ほんと茶番にしか見えませんでした。僕がテーパリットに一方的に打たれている映像だけを流されたことにも悪意を感じます。でも、もう特段、怒りや悔しさという感情はないんです。Abemaのボクシングへのリスペクトはまったく見えない企画です。こんな企画に出なくて良かったというのが正直な感想です。逆に天心にとって、この企画に出場することに何かメリットがあるのかなと心配になります」 1日に都内で行われた挑戦者決定トーナメントは「異種格闘技部門」と「ボクシング経験者部門」に分かれ、それぞれ4選手が出場したが、番組的に目玉だった人気の総合格闘家、青木真也(35)が、シンガポールで行われる総合格闘技イベント「ONE」でのタイトル防衛戦を理由に“ドタキャン”。代役として自らが連れてきた総合格闘技「アウトサイダー」の王者、大井洋一(41)を“推薦出場”させ、その大井が2勝し挑戦権を獲得した。 中村が4月13日に大阪で行われたオーディションに参加したのは「ボクシング経験者部門」だったが、階級で言えば、4階級も上に相当する約10キロ差があった元WBA世界スーパーフライ級王者、テーパリット・ジョージム(30、タイ)とのスパーリングを“マッチメイク”され挑戦者決定トーナメントに進む4名に選ばれなかった。 しかも、4時間に及ぶ生中継で行われた番組のテーパリットの紹介映像では、そのスパーで中村がボコボコにやられているシーンだけを切り取られて繰り返し放映された。 「僕は、海外の試合から帰ってきたばかりの状態だったのですが、約10キロも体重が上だったテーパリットとのスパーを組まされました。実際、映像のように打たれたことは事実ですが、3分1ラウンドの間、一方的にずっとやられていたわけではなく、あの映像を見て、“ああ、そういうことか。してやられたな”と思いましたね」 「ボクシング経験者トーナメント」では「天神橋ボクシングジム」の会長で同志社大の元アマチュアボクサー、藤崎美樹(29)が、“本命”の元世界王者、テーパリットを2-1の判定で下して挑戦権を得た。中村は、その藤崎の優勝を予想していた。 「予想通りだったでしょう。ヘッドギアをつけて、あのでかい14オンスのアマチュア用のグローブを使うとなると、ああなりますよ。スピードもパンチ力も生かせないので藤崎さんのように距離をとって遠くから手数のボクシングをする人が有利なんです。テーパリット戦でも前の手のジャブをちょんちょん出してテーパリットが強引に入ってきても右アッパーから左フックのコンビネーションで対応していました。見事でしたね。ああいうボクシングをするとテーパリットの重たいパンチも通用しないことはわかっていました。今はアマチュアもルールが変わっていますが、藤崎さんが同志社大時代は、“タッチボクシング”とも言われるアウトボクシングが全盛でした。藤崎さんは、それを極めています。2分3ラウンドで行われていましたが、それもアマのテンポにはちょうどいいんですよ」