那須川天心のボクシング1000万円企画。フリーボクサー中村優也「天心は(無名の元アマチュアに)勝てない」と大胆予想
中村は、大商大を中退しているが、1年時は、まだボクシング部に所属しており、当時、同志社大で1学年上だった藤崎が全勝で関西リーグでMVPを獲得した試合を見たという。 では天心vs藤崎戦の勝敗を中村はどう予想するのか。 藤崎の天心への挑戦は5月18日に行われるが中村は「ルール次第で天心は勝てない」と断言した。 「天心が、スピードとパンチ力で圧倒するという見方があるようですが、もし今回と同じく14オンスのウイニング製のソフトタイプのグローブを使い、ヘッドギアを装着するのであれば、彼のスピードやパンチ力は生かされません。今回の試合を見ていればわかるように、あのグローブではスピードは出ないし、テーパリットほどの重たいパンチ力があっても藤崎さんは平気でした。ルール次第ですが、今回と同じで、藤崎さんのスタミナが持つラウンド数で、3人のちゃんとしたジャッジがつき判定決着ありなら天心は藤崎さんに勝てないと思います」 まだルールは未定だが、挑戦者決定トーナメントと同じルールならば、中村は「判定で藤崎勝利」と見ているのだ。 「このルールはリーチと身長のあるアマ向きなんです。プロは相手のスタイルに合わせますが、アマは相手に関係なく自分のペースでやるんです。天心は待ちのボクシングです。藤崎さんに足を使われ、リードブローをちょんちょんと当てられリーチ差を生かし距離をとったボクシングをされたらペースをつかめないでしょう。天心はメイウェザーに掠った左のカウンターが武器ですが、藤崎さんが遠い距離からロングの右を出せばサウスポースタイルからの左のカウンターは当てにくい。逆に天心の左ストレートに藤崎さんは右のフックをうまく合わますよ。天心が右から突破口を開こうとすれば、それを外してカウンターを狙うでしょうし、インファイトではトーナメントで見せたようなアッパーも効果的です。テーパリットの圧とパンチを経験した藤崎さんにしてみれば、天心のパンチに対する耐久力に自信もあるでしょう。強引に倒そうとせず判定を狙えば手数とヒット数で藤崎さんが上回りますよ。ただ、その展開を見越して天心側が小さいグローブの使用などを要求してくれば話は違ってきます。ルールがどうなるかも注目ですね」 藤崎は、番組内で「このルールなので距離に徹してパンチもらわないように明確に当てて3ラウンドやった」とトーナメントの勝因を分析していた。同志社出身の“インテリボクサー”の藤崎は中村が語ったような頭脳的な勝利パターンを描いているだろう。 無敗の元5階級王者、フロイド・メイウェザーと大晦日にボクシングルールのエキシビションで戦い世界的な知名度を上げた天心が無名のアマボクサーに負けたら洒落にならない。 ただ週に一度、ボクシングレッスンを受けている天心はアマのトップクラスともスパーリングを行う機会があり、そこでは“圧勝”しているという。アマスタイルへの対応力もあるのだ。当然、使用グローブが8オンスから10オンスになりヘッドギアも使わないプロボクシングに近いルールになれば、間違いなく天心が“圧倒的凄み”を見せるだろう。ただそうなると安全管理という問題が浮上してくる。 一部のファンと視聴者の信頼を失ってしまった企画で、天心が「1000万円流出」を阻止するためにどういったエンディングを演じて見せるのだろうか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)