団塊ジュニアは41万人が老後貧困に?2025年と2040年問題を前に準備できる3つのこと【プロが作戦を解説】
労働力不足や社会保障制度の変化によって、近年さまざまな業界で「20XX年問題」が取り上げられています。物流における2024年問題など、挙げればキリがありませんが、医療や介護においては特に2025年と2040年に危機を迎えることをご存知でしょうか。今回の相談者・由佳さんは、まさに自分が当事者になるのでは……と不安な様子。話を聞いてみましょう。
2040年には介護職が69万人不足?
先日、自宅で親の介護をしている友人から衝撃的なことを聞かされました。私たち団塊ジュニア世代は、若い頃に就職氷河期で散々苦しめられましたが、今度は少子高齢化によって、年老いた時に十分な介護を受けられないかもしれないとのこと。 どの業界も人手不足だということはわかっていますが、私たちが65歳を迎える2040年頃には、介護職が69万人も不足すると言われているらしいんです。さすがに65歳で介護はまだ早いと思いますが、それから悪化の一途を辿るということで、独り身の自分は不安になってしまいました。 しかもすでに人手不足は相当深刻な問題のようで、友人宅に来るヘルパーさんは70歳を超えているんだとか。訪問ヘルパーの4人に1人は65歳以上らしいので、先が思いやられますよね……。 私自身は親の介護となるとあと10年は先になりそうですが、私たち世代だけでなく、親も介護難民になる可能性が少なからずあるとのこと。それがどうやら2025年問題と言われているようで、どんな影響が出てくるのか気になってきました。もし自分でできる備えなどがあれば教えていただけますか?
人口減少によって切実な20XX年問題
「20XX年問題」は過去に何度も取りざたされてきましたが、実際には問題にならなかったケースがほとんどです。たとえば2007年問題。これは団塊の世代の大量退職に伴う労働力不足などを危惧したものでしたが、実際は定年の延長などで雇用形態が変わったり、景気回復によって新卒採用が増えるなどして結果的にそれほど問題にはなりませんでした。介護における20XX年問題も杞憂に終われば喜ばしいですが、現時点では半年後に迫る2025年問題を皮切りに、介護は崩壊の一途を辿ると言われています。 2025年問題とは、1947~1949年に生まれた団塊の世代が75歳になることで起こるさまざまな問題のこと。75歳以上の後期高齢者が増えると当然介護費用は膨れ上がり、約32万人の介護人材が不足すると言われています。 中でも在宅介護において肝となるホームヘルパー(訪問介護員)の人手不足は死活問題。ホームヘルパーは身体介護や食事作りなどの生活援助を担い、在宅生活を支えてくれる方々ですが、介護労働安定センターが行った「介護労働実態調査」によると、人材の不足感を感じている介護職はホームヘルパーが83.5%で最も多く、次いで介護職員の69.3%となっています。 国は住み慣れた地域で最期まで暮らす在宅介護を推し進めていますが、実はその在宅介護が存続の危機を迎えているのです。