地震から1年、能登の各地で追悼式 発生時刻に黙とう、犠牲者の冥福祈る
昨年1月の能登半島地震は、1日で発生から1年となった。地震や津波で大きな被害を受けた能登半島では、各地で追悼式典が開催された。降りしきる冷たい雨の中、発生時刻の午後4時10分には多くの住民が黙とうをささげ、犠牲者を追悼した。 【写真】地震の発生時刻に合わせて黙祷する輪島朝市組合の組合員ら 地震と昨年9月にあった豪雨で被災した石川県輪島市町野町にある仮設住宅では、紙灯籠でかたどられた「1・1 NOTO」の周囲に住民ら約50人が集まり、黙とうをささげた。 その後、1995年の阪神・淡路大震災の記憶を伝えるガス灯「1・17希望の灯り」から分灯された火が運ばれ、被災者らの手によって次々に紙灯籠に火がともされた。 父親の孝造さん(76)を地震で亡くした浅井孝仁さん(52)は、まだ父親の遺骨とともに仮設住宅で暮らす。「彼岸で納骨しようと思ったら豪雨で大変になって、結局できなかった。気持ちの区切りを付けなければいけないと思っている」と灯籠を見つめた。 輪島市の「輪島朝市」では、商店主らでつくる「輪島市朝市組合」の組合員30人近くが集まり、発生時刻に合わせて大規模火災があった朝市通り周辺に向かって手を合わせた。 冨水長毅組合長(56)は「亡くなられた方にはご冥福をお祈りしたい。たくさんの方から応援をもらった1年だった。これから数年はかかるかもしれないが、この場所で朝市の復興を必ず成し遂げたい」と話していた。(杉山雅崇、風斗雅博)