古代の「情報戦」と「ネットワーク」
祟る伏見稲荷の背後に、古代の情報戦が隠されていた?(写真は伏見稲荷大社の楼門、筆者撮影)
誇張やウソも、繰り返し唱え続ければ、やがて、それが真実になり、歴史になってしまう。これを放置しておけば、いちじるしく国益を損ねるし、一度定まってしまったイメージを覆すには、想像以上の労力を要する。「情報の力」を侮ってはなるまい。 情報操作や情報戦は、今に始まったことではない。古代でも、「情報」は、大きな意味を持っていた。たとえば歴史書(正史)の編纂も、極論すれば、情報操作を最大の目的としていた。 中国では、新王朝が旧王朝の腐敗ぶりを糾弾し、世直しの正当性を証明しようとした。新王朝の正義を主張するために、誇張、改竄、捏造は、当然行なわれ、政権交代、王朝交代の正義が唱えられた。「勝てば官軍負ければ賊軍」である。
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関裕二