“天才”と言われる22歳の若き女子王者が「自分はすごい不器用」「誰よりも走って誰よりも研究してここにいる」
27日、後楽園ホールにてスターダム『第14回 ゴッデス・オブ・スターダム ~タッグリーグ戦~ in KORAKUEN』が開催。メインイベントでは星来芽依(せいらめい)の持つハイスピード王座に水森由菜(みずもりゆな)が挑戦した。 星来は、かつてMarvelousの星月芽依としてスターダムに参戦していたが、その後Marvelousを退団して昨年4月からスターダムに上陸し所属選手に。2度のハイスピード王座戴冠や、スターダムを若い力で革命しつつあるユニット【NEO GENESIS】の中核を担うなどトップクラスの選手として活躍している。 7月の北海道大会で上谷沙弥を倒しハイスピード王者に返り咲いた星来。二度目の防衛戦の相手は10・5名古屋大会『ハイスピード選手権 次期挑戦権争奪バトルロイヤル』の勝者となり、これを制した水森が「私が輝いている、トロピカってる姿をもっともっとみんなに見せる」と意気込み王座戦へ。
試合序盤からハイスピードな攻防となるが、水森は星来に劣らず互角の勝負を見せる。さらにパワーは水森があるためエルボーやラリアットで圧倒し、場外に投げるとトペ・スイシーダを発射。 会場を沸かせた水森が星来のカサドーラもどどんで切り返し猛攻を続けるが、星来もハイスピードな丸め込みや変形キャメルクラッチで機動力を削っていく。 水森はトロピカルスマッシャー(=変形カッター)でトドメを狙うも、これを切り返した星来がチェックメイト(=縦回転の逆打ち)で3カウントを奪った。 勝利した星来は「ゆなもんはこないだ『お前にはこの気持ちわからない』って言ったけど、今日わかったよ。ただ、その気持ちだけじゃこのベルト持ってらんないから。芽依はそんな軽い気持ちでベルト守ってるわけじゃないから。よく『芽依はなんでもできていいね』とか言われるんですけど、自分はすごい不器用で、不器用って自分でもわかってるから誰よりも走ってきたし、誰よりもドロップキックを研究して、色んな事を研究してきて今やってここにいるんです。だからそんな簡単な気持ちでこのベルト巻いてるわけじゃないっていうのはこれから証明していきたい、差をつけていきたいなと思います」と想いを吐露した。 16歳でマーベラスでデビューした星来は、ハードヒットな試合の中で身体能力を駆使して生き残ってきた。昨年スターダムに入団してからは自分よりスピードの速い選手がいる中でも技術を磨き、ベルトまでたどり着いた苦労人である。 現在22歳の星来が見せる新たな王者像は、悩み苦しみながらも才能を開花される若者たちの1つの道しるべとなるだろう。