名古屋Ｄの守備の要・佐藤卓磨

◇名古屋ダイヤモンドドルフィンズ特集「RED PASSION」 　男子プロバスケットボールB1の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ（名古屋D）の“今”を伝える「RED PASSION」がスタートする。毎週火曜日に紙面と中日スポーツ公式ホームページで掲載。初回は「愛知頂上決戦」となる23日のホーム・三遠ネオフェニックス戦（ドルアリ）のプレビュー。名古屋Dの佐藤卓磨（29）、三遠の吉井裕鷹（26）という勝敗のカギを握る守備のスペシャリスト対決に焦点を当てた。 　昨季西地区優勝の名古屋Dと同中地区優勝の三遠との「王者対決」となる。9月に行われた県内4クラブのカップ戦での対戦はなかったが、今季最初の水曜日の試合となる4節目で激突する。 　注目は三遠・大野篤史監督（47）の教え子対決。名古屋Dの佐藤は千葉Jの2年間、三遠の吉井は今季から大野監督の薫陶を受けている。ともにフィジカルを生かした守備を持ち味とする。中地区の得点数は名古屋Dが1位、三遠が2位と高い攻撃力を持つ。それだけに、真っ向勝負となった時の守備に注目だ。

12日の川崎とのホーム開幕戦に勝利し、（左から）中東、佐藤、中務とハイタッチする名古屋Ｄのショーン・デニス監督

　佐藤は千葉Jの主力として2020～21年の年間優勝に貢献した。名古屋D在籍2年目の今季は副主将も務め、20日の茨城戦の第2戦で先発。序盤から強度の高い守備でチームを引っ張った。連敗阻止の立役者となり、「（守備の）リーダーになれるよう意識した。この強度をスタンダードにしたい」。ショーン・デニス監督（58）も「素晴らしかった。千葉Jでもスターターを務めていたので、（試合の）最初がどれだけ重要か理解している選手」と評価する。

三河・須田侑太郎の攻めを身体を張って阻む三遠・吉井裕鷹（９月８日愛知セントラルカップ　三河－三遠戦）

　パリ五輪代表の吉井は今季、A東京から三遠に移籍。大野監督からは「僕が三遠に来る前からどうしてもほしかった選手」と4年越しのラブコールを受けた。9月のカップ戦では「守備では言うことがない。攻撃はまだまだできると思うので、彼の輝ける場所はどこなのかを探っていきたい」と期待を寄せた。言葉通りA東京時代から平均出場時間は約3倍となる28分10秒に伸ばし、第3節A東京戦の第2戦（20日）では逆転勝利の立役者となった。 　名古屋Dは今季、三遠と4試合が組まれている。第3節を終えての勝敗は4勝2敗で並んでるが、三遠は琉球、三河、A東京といずれも昨季のプレーオフ進出チームと対戦。昨季王者同士のぶつかり合い。名古屋Dの佐藤を中心とした“盾”が、三遠の矛を上回るか。試金石の愛知決戦となる。 　◆今週の名古屋D 　23日は三遠戦で通算対戦成績は17勝10敗だが、昨季は0勝2敗と負け越している。26、27日にホームで対戦する三河とは通算16勝18敗。昨季はプレーオフで2勝、リーグ戦で1勝1敗で年間では3勝1敗。ホームで愛知県勢を迎える週となる。