「惨敗してもおかしくない展開」帝王・山田裕仁氏が眞杉匠の“逆転劇”に驚がく/共同通信社杯競輪・決勝
北津留翼選手(90期=福岡・39歳)も好調モードで、1着こそ取れていませんが、速い上がりを連日マーク。オール2着で勝ち上がった古性優作選手(100期=大阪・33歳)は、腰痛を抱えてのレースだったようで、コメント通りにデキは芳しくなかったはず。そういうときでも、立ち回りの巧さで着をまとめることができるのが古性選手の強さで、この「崩れなさ」は本当に素晴らしいと思いますよ。 決勝戦に3名が勝ち上がった九州勢は、山崎賢人選手(111期=長崎・31歳)が先頭を任されました。番手を回るのが北津留選手で、3番手を荒井崇博選手(82期=長崎・46歳)が固めるという布陣。この“数の利”を生かすためにも主導権が欲しいところですが、タテ脚のある選手が並ぶ九州勢に対して、他のラインがそうは問屋が卸さない。車番的に後ろ攻めとなりそうなのも、九州勢にとっての課題となります。 南関東勢は、郡司浩平選手(99期=神奈川・34歳)が先頭で、番手に深谷知広選手(96期=静岡・34歳)という強力タッグ。このレースの2022年覇者と昨年覇者による、タイトルホルダー連係でもあります。暮れのKEIRINグランプリを見据えて、深谷選手の賞金をここで加算したいという思惑もあるはず。それだけに郡司選手は、かなり積極的なレースを仕掛けてくる可能性がありそうです。
地元の期待を背負う眞杉選手の番手には、特別競輪での初優出となる恩田淳平選手(100期=群馬・34歳)がつきました。恩田選手が勝ち上がりの過程でみせた走りは地味に強く、なかなか調子がよさそうでしたね。そして近畿勢は、古性選手が先頭で、番手に南修二選手(88期=大阪・43歳)という組み合わせ。普段から連係の多い同県ラインですから、結束力の強さはどこにも負けていません。 どのラインの先頭も機動力は文句なしですが、コマ切れ戦となったことで展開はかなり読みづらい。どのラインが初手でどの位置を取るかで、それからの流れはガラッと変わってきそうです。先手をとる可能性がもっとも高いのは九州勢でしょうが、特別競輪の決勝戦というのは、何が起きても不思議ではない。では、実際にどのようなレースとなったかを振り返っていきましょう。