「食べ残し廃棄に待った!」 ホテルが取り組む食品ロス削減の“確かな一手” 忘年会 客側も「食べ残し」しない意識を
まずはレストランや宴会場でおいしく残さず食べきってもらう。そのうえで食べきれなければ、希望者に環境に配慮した認証紙製の容器と持ち帰り時の注意点を配付している。 ■食品ロス削減に向けたmottECOの更なる推進 地球上には十分な食料を食べられず、栄養不足に苦しむ人々が数多くいる。そのような地域に、余った食料を輸送できればよいのだが、手段やコストを考えるとその実現性は低い。 よって私たちにできるのは、食品ロスを出さぬよう日々の生活を送ることであろう。mottECOのような食べ残しを持ち帰る取り組みが今後もいっそう推進されるべきである。
mottECOの取り組みルールでは十分に加熱した料理のみを持ち帰れるようにしているので、日本ホテルの実績においてクレームや事故はこれまでは1件も発生していないという。 しかし、客側の責任で持ち帰るとはいえ、万が一事故が発生した際には事業者側に一切責任が発生しないとまでは言い切れない状況にある。よってmottECOが多くのホテルで採用されるには至っていない。 食べ残しの持ち帰りに関する飲食店側の責任の範囲を明確にするためにも、早急に国によるガイドラインの作成が期待される。また、mottECOの取り組みが広く認知され、余ったものは持ち帰るといった文化が私たちの間に育まれていくのを期待したい。
藤井 誠一郎 :立教大学コミュニティ福祉学部准教授