三井住友銀、ソニーらが42億円出資、大手6社と提携のアスエネ。「M&Aで国内気候テック再編」も視野
M&A、年内実現へ複数案件が進行
──調達資金の主な使途は。 M&Aです。今回のシリーズCラウンドでの調達額は7月末に予定しているセカンドクローズを含めると50億円になりますが、事業自体は非常に好調ですし、実は資金的には余裕がある。 ただ、企業価値を急速に高めるためにはM&Aが最も有効です。そこでまずは国内の気候テックを対象にアスエネ主体でM&Aを積極的に実施する。将来的には海外でのM&Aも視野に入れています。 ──具体的に動き出しているのでしょうか。 2023年後半にM&Aチームを組成し、すでに複数の交渉を進めています。期末の2024年9月末までに順調にいけば2~3件、少なくとも1件は実現する見込みで動いているところです。 ──そこまで急激にシフトできる理由は。 私自身、三井物産時代に海外のM&Aを手掛けた経験もありますし、M&Aに強い企業と連携しているからです。 ──連携とは。 ソフトウェアテストで知られるDX企業・SHIFT(シフト)さんです。同社で国内外のM&Aをリードしている小島秀毅さんに、アスエネのM&A戦略アドバイザーに就任いただきました。シフトさんはM&Aを通じて企業価値を急上昇させてきた企業で、2023年だけで国内上場企業最多の10件のM&Aを成功させている。連携を機にシフト流を徹底的に取り入れ、動いています。
湯田陽子